このところの円安のせいもあるだろうが、シンガポールと日本の所得格差が拡大している。あくまで平均の年収だが750万円ほどとなって、日本の450万円を大きく凌駕している。しかもこの国は「Double Income」が普通で、専業主婦などほとんどいないのだから世帯収入は1,500万円となり、日本の専業主婦世帯の3倍もの年収となる。
女性の社会進出(*1)を支えているのが、外国から出稼ぎに来ているメイド。月額10万円くらいで雇え、子供の世話・掃除その他主婦の仕事をやってくれる。加えて食事は外食が普通、料理は(夫も妻も)滅多にしない。日本からわざわざ出かけて、キッチン付きアパートメントに滞在してスーパーマーケットを探す夫婦(*2)もいるが、現地では「絶滅種」である。

特に平均年収を押し上げているエリート層は、立派な学歴(*3)を持ち、高級車に乗り(*4)、高層ビルで働いている。平均年収以下の人たちは、通勤もBMW(BUS/Metro/Walk)で、つつましく暮らしている。
さらに平均年収にもカウントしてもらえないのが、出稼ぎの人たち。上記メイドもそうだが建設労働者が典型例。週の80時間も働くことがあり、早朝トラックの荷台に詰め込まれて現場に行き、夜同じトラックで寝床に帰る日々という。そんな奴隷のような生活で、今欧州で吹き荒れる移民の騒乱などないのかと聞くと、
「1970年に一度あったが、その苛烈な処置に二度と事件が起きなくなった」

この日のディナーは、海南鶏飯のセットでした。ごちそうさま。
*1:この言い方そのものが、ダイバーシティとして問題かも
*2:Pan Pacific Serviced Suites Beach Rode - Cyber NINJA Archives
*3:世界大学ランキングでは、シンガポール国立大学は17位。東大が28位で、他の日本の大学はベスト50にいない
*4:高級車ごとエレベータでビルを登り、愛車と夜景を眺めながらディナーできる店もある