企業訪問や視察がメインの今回のツアー、訪問先の都合もあってスケジュールには隙間がある。ツアー会社としてはその隙間に観光など入れ、土産物店などにも寄って現地に貢献(キックバックがあるかどうかは知らない)しようと考える。僕にとってはすでに7~8回は訪れている国だし、観光も土産物店も不要だ。でもひとりだけ別行動をとって・・・というほどの時間的余裕はない。せっかく財布に入れてきた現地のICカード乗車券「EZ-Link」も出番はなかった。

いくつか観光名所を巡った内の一つがこれ。スタンフォード・ラッフルズ卿は東インド会社所属だった1822年に、小さな漁村の島だったシンガポールに上陸し、以後現地の発展に寄与して「シンガポールの父」と呼ばれた。マラッカ海峡を扼す位置にあり、セイロン島からベンガル湾沿岸を巡って港町を探ていた卿の目に、ペナン島の次の中継地点として好適に映ったのがシンガポール島である。
綺麗に言えば「現地の発展に寄与した」のだが、別の言い方をするなら「マラッカ海峡を制圧する軍事拠点を築いた」のがラッフルズ卿である。モニュメントの背後を流れるのが、シンガポール川。島で最大級の河川で、水不足が深刻なシンガポールにとっては貴重な貯水池である。

観光船もその背後の住宅も、なんとなく中華風。川沿いのシャッター群は、陽が落ちてから開くレストランだという。シンガポール風「川床」かもしれない。ラッフルズ卿以前に、華人はこの島を含むマレー半島に移住していた。マレー系とも混血したその子孫を<プラナカン>という。以前旅行で来た時、その文化を展示した博物館を訪れたこともある(*1)。

この夜のディナーはプラナカン料理のお店。

右端から、ご飯(これがないと辛くて食べられない)、鶏唐揚げ、具沢山スープ、魚の切り身のチリソース、豚肉の煮込み、中華風おでん、海老の唐揚げ。特にお魚が辛かったです。