Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

旧松崎宿旅籠油屋を見学

 この日も雪がちらつく中、ちょっと遠出をすることにした。目的地は太宰府よりさらに南、甘木鉄道の沿線である。この鉄道はかつては国鉄甘木線だったが、第三セクターとなって今の甘木鉄道レールバス)として運行している。

 

西鉄薬院駅のプラットフォーム

 スタートは西鉄の最寄り駅「薬院」。大牟田行の急行列車に乗り、遠くが雪で曇った山を見ながら、30分ほどで小郡駅に着く。ここは甘木鉄道(基山~甘木)の乗換駅まで150mほど離れている。今回は時間節約のため、小郡駅から、目的地までタクシーに乗った。運転手さんは朗らかに話し掛けてくれるのだが、聞き取りずらい。まず博多から来たのかと言われ、驚いた。お国自慢は久留米のことばかり。県内でかくも差がある。

 

江戸時代の建築である「油屋」

 松崎は、江戸時代に栄えた宿場町。久留米藩の分家有馬家(1万石)の城下町でもある。薩摩街道に面していて本陣・脇本陣もあり、この建物は「油屋」という名前の旅籠。脇本陣に次ぐ格式があって、庶民は中央の入り口から出入りするが、左手の門からは身分のある人が離れ屋(廊下でつながっている)に出入りしたという。

 

2階の板の間から台所を見る

 母屋の2階部分には6畳ほどの小部屋がたくさんあり、2階の中央部分の板の間には、1階の台所から食事など釣り上げる穴も開けられるようになっていた。

 

 離れ屋は1850年ごろ「棟上げ」をした記録があるのだが、母屋はもっと古く記録がない。台風被害で解体の話が出たのが、1990年ころ。しかし文化財としての保存を求める声が強く、入念な解体調査の後再生されたのが2019年だという。以後、小郡市指定文化財として、無料公開されている。

 

母屋の大階段

 大階段は2mほどの幅があり、京都池田屋近藤勇が剣を振るった階段を思い起こさせた。丁寧な説明をしてもらい、保存の熱意に感動して甘木鉄道松崎駅にやってきた。ここから10分ほどの大刀洗駅に、今回の旅のハイライトが待っています。