パリ協定からは離脱し、石油/シェールは「掘って掘って掘りまくれ」とあおり、EV補助金は即刻廃止・・・とトランプ大統領は、気候変動問題に対する措置を片端から破壊している。地球規模の持続的な成長を考えるSDGsに積極的な人たちが集まる<WEF>でも、オンラインで持論を展開してさっさといなくなった(*1)。しかし例えその場にいなくても、この会合の主役が彼だったことは間違いがない。
一生懸命地球の未来を考える人たちに対して、あまりにも失礼だと感じた人は少なくなかっただろうし、これからどうなるのだろうと不安を覚えた人も多かったに違いない(*2)。しかし、物事には表もあれば裏もある。全く別の見方を教えてくれたのは、この書。

自ら「拗ね者生物学者」と名乗る池田清彦氏の「SDGs批判」である。その意見を100%信じるわけではないが、
・地球の多くを支配してきた欧州人だが、技術の均衡が図られて支配が続けられない
・人口や資源の量では、米国・中国・インド・ロシアらに抗することが難しい
・これらの巨人に「足かせ」をはめるべく、SDGsという目標を考えた
・誰も反対のできない17のテーマを選び、国数の多さを利して国連で政策を決めた
という欧州の戦略という説には、ある程度の説得力がある。よくトランプ支持者が「Deep State」に米国は支配されているというが、そのルーツはこのあたり(欧州方面)から来たのかもしれない。確かにSDGsの陰謀を巡らせたのが欧州各国で、これに同調した(民主党などの)米国エスタブリッシュメントが、その手先となって米国の自由を奪ったのだとすれば・・・。
トランプ大統領こそが、欧州の陰謀を打ち破り、欧州(&国連)の手先と堕した米国人を追放してくれるヒーローというわけ。「Deep State」は、単純なプアホワイトたちをたぶらかす子供じみた言説と思っていたのですが、こう考えるとある程度リアリティはありますね。もちろん、僕はそれを信じているわけではありませんが。
*1:世界の10大リスク2025(WEF:前編) - 梶浦敏範【公式】ブログ
*2:トランプ新政権の経済政策でサーキュラーエコノミーは進展するか?(木村麻紀) - エキスパート - Yahoo!ニュース