Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

吉野家HDの多角化は是か非か

 昨年のニュースを見ると、諸般の事情による値上げと個人商店の倒産が増えている印象だ。規模の経済でコストをある程度吸収したり、値上げをしたりできるチェーン店と違い、個人商店は「いけるところまでいってドボン」となっている公算が高い。

 

 先日「かつ丼」の価格が600円を超えてきたことを紹介した。一方ラーメンは1,000円の攻防だと言われる。かつ丼よりラーメンが高いというのは、昔人間にとっては違和感が大きい。

 

 とはいえラーメンニーズは巨大なので、チェーン店の登場となる。さらには他業種からの参入もあった。

 

吉野家、ラーメン店「キラメキノトリ」子会社化 ラーメン事業強化 - Impress Watch

 

    

 

 このところ、吉野家HDの多角化が目立つ。カレーメニューを充実させたり、カフェ風の店舗づくりにしたり、から揚げチェーンを出したり、ついにはラーメンチェーンである。かつて<そば処吉野家>を展開して、上手くいかず撤退したことをどう反省しているのだろうか?

 

 特にラーメンについては、好みの差が激しいことが気になる。昨年京都でラーメンの食べ歩きをしたが、似ているようで全く違う(*1)。各々好みのラーメンを消費者が持っているのを感じた。例えば一乗寺界隈では数軒おきに別のラーメン店があるという。そのような差は外食チェーンでは出せないので、本当のファンを引き付けられるような気がしないのだが、社長は「ラーメンで世界一に」と意気軒高(*2)だ。

 

「松福」の基本メニュー<赤うまとん>850円なり

 

 ただラーメン業界が、コストアップのせいで苦境にあることは確か。熱海でも、市役所前の個人店だった「麺屋悟り」が閉店、小さいながらもチェーンの「松福」になった(*3)。他にも「浜田屋」「福ヤ」が閉店している。吉野家HDの多角化は、機を見て敏なりか、手あたり次第なのか?歴史が証明してくれるでしょうね。

 

*1:京都の隠れた名物「ラーメン」 - Cyber NINJA、只今参上

*2:吉野家HDの河村泰貴社長「ラーメンで世界一に」 脱・牛丼依存へ - 日本経済新聞

*3:期日前投票に行って来ました - Cyber NINJA、只今参上