メトロ清澄白河駅近く、大きな人工池を中心に広大な敷地を持つのが清澄庭園。庭園を臨む大正記念館は、何度もイベントで利用させてもらった。大正天皇の葬儀をした建物を移築したのだが、焼失してしまい現存建物は2代目。

広いホールのほか、講演者の控室にも使える和室があり、ちょっとした会合にはとても使い勝手がいい。屋内からは庭園が見渡せるので、その雄大さはよく知っていた。

今回の旅の中で庭園を一巡りしたいと思っていたので、家内と出かけて行った。寒い日だったが、雲一つない晴天。岩崎弥太郎の別荘だったということだが、大元は紀伊国屋文左衛門の邸宅だったらしい。関東大震災で西半分が火災などで失われ、その部分を公園として開放することになった。被害の少なかった東半分が、都に寄贈されて現在にいたる。

いわゆる回遊式庭園で、巨大な池の周りを歩いて回りながら、そのスポット・スポットを楽しめるように島や半島、灯篭などのオブジェが配置されている。湖面に接するような懸崖の松の数々も見事だが、日本のいろいろな地域から集められた岩石(*1)が庭の要所に廃された「石庭」でもある。聞くところによると、岩崎家が西南戦争のおり軍需物資を九州に送り、帰り船のバラスト代わりに積んだ岩石を庭園に飾ったのだという。岩崎家は、その利得により財閥たるべき資金を蓄えたということだ。

人造湖には多くの野鳥がやってくる。冬の今でも多くのカモ・サギ・ハトなどが、池の周りに集まってくる。特に陽の当たるところには、多くの水鳥が浮かんでいた。初めて巡った清澄庭園のお庭、とても魅力的でした。梅も咲いていましたしね。公私は別にして、時々訪れたい庭園でしたよ。
*1:紀州の青石はもちろん、伊豆・伊予・真鶴など各所の岩石があった。