Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

他の国境は薄くしてでも

 ロシアのウクライナ侵攻が始まった当初、米国のオースティン国防長官は「ロシアを二度と暴挙ができないように弱らせる」主旨の発言をしていた。核戦力やサイバー戦能力については、容易に弱らせることはできないので、この発言は経済力と通常戦力を削ぐ意味だと思う。

 

 それから2年半が過ぎ、経済力については高いGDP成長が続いていて、現時点では上手くいっていない(*1)。一方通常戦力については、ウクライナ軍の善戦によって確かにダメージを与えているようだ。西側諸国の各種支援と、ウクライナ人の血で贖っている状態。ロシア軍もそれ以上の血を流していて、兵力の補充が急務である。プーチン大統領は、先月新たに18万人を増員しロシア軍150万人体制にすると発表した。

 

        

 

 ただ、国家総動員令を出したわけではないし、訓練期間もいるのですぐに増員できるわけではない。とすれば、他の地域の戦力を振り向けることで、ウクライナ戦線を支えるしかない。先月述べたように、北方領土など極東のロシア軍はかなり減っている(*2)のがその証拠。

 

 これに加えて、アルメニアジョージア方面からも、兵力を引き抜いているようだ。

 

ロシア、同盟国の国境警備から一部撤退へ 「ロシア離れ」が原因か:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

ジョージア撤退を仄めかすロシア ...背景には、ウクライナ戦争を有利に進める「思惑あり」?|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

 そして、ロシアに匹敵する兵員数を持つ同盟国、北朝鮮から直接兵力を借りることも考えているらしい。今月、ウクライナ戦線で北朝鮮の将校6名が戦死した(*3)と伝えられたのがその予兆。たまたま視察に来ていて運悪く・・・ではないように思う。

 

 北朝鮮軍の大規模な派遣があるとすると、38度線も薄くなります。金総書記が「核を使うぞ」と韓国側を脅しているのも、自らの兵力減少が原因かもしれませんね。

 

*1:もちろん急激に財政赤字が増えているので、サドンデスはあり得る

*2:牙が無くなったので、耳を伸ばしてきた - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

*3:「ロシア軍派遣の北朝鮮の士官6人、ウクライナのミサイル空爆で死亡」 | 東亜日報 (donga.com)