和牛の特徴は、言うまでもないのだが「細かなサシ」。以前は豪州産や米国産のサーロインなどを好んで食べていた僕たちも、やがて和牛の旨味に目覚めた。最初は割高だなとも思ったのだが、昨今の円安でその価格差は縮まってきている。
昨日紹介した和牛のトモ三角とシンシンだが、例えばローストビーフにしてそぎ切りにすると、その違いがはっきりする。

左半分がトモ三角、網の目のようなサシが入っていて白っぽくみえる。内側までしっかり火を通してあるので相当量の脂質は溶けているのだが、それでもこれだけの白い部分が残っている。右半分がシンシン、赤身のように見えるが、サシは溶け込んでしまって目立たない。この「二色ローストビーフ」は当家のおもてなし料理の決定版で、赤ワイン好きのお客様であれば、間違いなく気に入ってもらえると思う。
家内のように脂質大好きの人なら「白い方!」をリクエストするし、僕のように多すぎる脂の肉は大量に食べられない人は、赤い方を食べたがる。何度か来客にお出しして、好評(*1)をいただいている。

もちろん僕たちだけのディナーでも、この種のローストビーフは大活躍。いろいろなお店で材料調達をしている。ところがある日、銀座のスーパー「OK」で見かけない和牛のブロック肉を見つけた。A5級和牛のバラ肉で「カルビ」とラベルにある。
昨日紹介したように、正式の肉の部位として「カルビ」という呼称はないのだが、焼き肉店なども買っていくこのスーパーでは、より分かりやすい表記をしたのかもしれない。ものは試しと購入し、いつもの方法でローストビーフとした。
仕上がりはとても柔らかく、切断面を見るとすこし太めのサシが見える。食べる前に分かるくらい、脂質は十分すぎるほど。トモ三角よりも脂質は多かったような気がします。旨味も十分ですが、そんなにたくさんは食べられなかったですね。また見つけたら買ってこようと思います。