Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「カルビ」という部位はない?(前編)

 焼肉店に入って頼む牛肉メニューの代表的なものが、ロースとカルビ。前者が脂分が少ない赤身、後者が白く見える部分が多いものである。ただ最近、自宅でステーキを焼いたり、ローストビーフを造ったりするため、牛肉のいろいろな部位の勉強をした。その中に、ロース(&肩ロース)はあるのだが、カルビというものはない。

 

    

 

 希少部位だという、ミスジ、シンシン、ザブトン、トモ三角なども味わってみた。ロース肉はあまり特徴がなく、これら希少部位には敵わないと敬遠している。家内は白い部分が好きで、ザブトンやトモ三角が好み。これらをローストビーフにすると、とても白い「肉刺身」が出来上がる。

 

 カルビという部位も白いはずなのだが、肉屋では手に入らない。なぜだろうかと思っていたら、こんな記事があった。

 

焼肉店の「カルビ」は本当のカルビではない…消費者庁が全国焼肉協会に改善要請を出した本当の理由 精肉店と焼肉屋では牛肉の呼び方が違う | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

 カルビという言葉は、韓国語で「あばら肉と周辺の肉」を示すのだという。なるほど、それじゃ日本の肉屋の商品リストにないわけだ。これが業界の常識だったらしい。今回消費者庁が全国焼肉業界に「ロースと称してより安いモモ肉などを販売しないよう」注意したという。しかし希少部位を含めた(より高価で)脂質の多い肉を、バラ肉を想定させるカルビとして販売することは禁じていない。

 

        

 

 高い肉を安い肉と思わせて売るのはOKということだが、本質的には消費者に「肉屋と焼肉屋では言葉の意味が違うよ」と啓発すべきではなかろうか?10年ほど前、バナメイエビを車エビと称して提供していた料亭などがバッシングされたことがある。これも業界の常識だったのだが、消費者が「騙された」と感じて事件になっている。こういうことはほかにもあるはず、徒に騒ぎにしないで真実を報じることを消費者庁やメディアにはお願いしたい。

 

 当家の今夜のディナーはステーキです。上が家内の好きなトモ三角、下が僕の好きなシンシン。明らかにサシの違いが分かりますよね。

 

<続く>