国際的な緊張の高まり、いくつかの地域では緊張が破裂してしまっている状況で、このところ諜報関連の記事が多い。自民党参院議員の元秘書/外交顧問が、中国政府が世界に置いている海外警察拠点の幹部だったという話は、年初からくすぶっていた。「情報流出はない」との議員の説明(*1)に納得する人は少ないと思うし、民間人に「セキュリティ・クリアランス」を求める前に、議員や議員秘書もクリアランスの適正評価を受けてほしいと思う。
フィリピンでは、ある市の元市長が中国のスパイではなかったかとの疑惑が浮上し、元市長は逃亡先のインドネシアで拘束され、送還されてきた(*2)。いずれも中国政府がらみだが、ある意味どの国でもやっていること。スパイと思しき行為が摘発されたことも多い。

ただ、これまでは事件になったとしても、多くは闇に葬られてきた。それが記事になるということは、諜報の世界が特別なものではなく、普通の存在として認知されたのではなかろうか?簡単に言えば「闇稼業ではなく、表舞台に居場所を得た」ということ。その象徴的な記事がこれ。
米英情報機関トップが登壇 ロンドンで初のそろい踏み - 日本経済新聞 (nikkei.com)
Financial Times主催の会合に、CIAとMI6のTOPが登壇し、時事を論じたというのだ。英国では「スパイは紳士(貴族)のお仕事」との認識がある。芸術や文化の教養が豊かな紳士&淑女が、相手国の紳士&淑女と交流しながら情報をやり取りするのが典型例。
ガザ紛争については、CIAのバーンズ長官は公式会合に何度も参加して、実効的な解決を模索してきた。メディアもその言動を追っていた。彼に続いてMI6のムーア長官もメディアの前に・・・。
本当の裏稼業の諜報員というのは、フードを被ってキーボードをたたいているのかもしれません。