ウクライナ軍のクルスク州侵攻で、ウクライナ紛争は「ロシア・ウクライナ戦争」になった。もっともプーチン政権はあくまで「特別軍事作戦」「対テロ作戦」と言っているが。侵攻に兵力を割いたことで、防御が手薄になったとの批判もあるが、少なくとも作戦級(*1)に関しては外野がとやかく言う話ではない。
新しい局面になって、いろいろな変化が生まれた。顕著だったのは、空の闘いが激しくなったこと。例えば8月にウクライナに襲来したミサイル・ドローン等は7月から倍増し、最終週だけで7月と同等の数が降ってきた(*2)。
JSFという軍事ライターは精緻な情報と分析をもたらしてくれるので、時々参照させてもらっている(*3)。

この記事によると、
・北朝鮮製ミサイルは不良が多く目標に向かわないこともある
・自爆ドローンはロシアが内製を始めているが、これも誤動作が多い
・相当数を迎撃できている(8/26の例では85%)
・脅威はやはり威力がある滑空爆弾
である。迎撃にはようやく参戦したF-16ファイティングファルコンも加わっているが、1機が失われパイロットも戦死している。これはウクライナ側の誤射とも伝えられているが、確たることは分からない。
陸上や海上でも、ロシア軍の損害が大きく、ぎりぎりの闘いをしているが、空も多分同じ。死力を尽くして攻撃してくるが、どこまで続くのかは不透明だ。ウクライナ側も戦力・兵站の限界も近いだろう。両者ともこの1~2ヵ月が踏ん張りどころである。
空の闘いがピークを越えるのは、どちらかが力尽きたときか?あるいは異次元の闘い(例えば核戦争)になった時か?出口が見えてきません。
*1:侵攻するという戦略級の目的に関しては、国際社会として議論してもいい
*2:ロシア軍がミサイル127発と自爆無人機109発の合計236発でウクライナを大規模攻撃、85%を撃墜(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース