Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

GDPって信用できるんだっけ?

 今年になって、GDP第三位だった日本だが、ドイツに抜かれて四位転落。すぐ後ろにインドが迫っていて、五位転落かとも伝えられる。要因のひとつは円安なのだが、インドはともかく「欧州の病人」と言われるドイツに本当にそんな実力があるのか、疑問に思っていた。さらに不思議なのが、大勢の犠牲者を出しながら(20世紀型の)戦争を続けているロシア。長く経済制裁も受けていて、海外資産も凍結されているのに、なぜかGDPがプラス成長している。

 

ロシア、戦時経済で人手不足 GDPは5四半期連続プラス - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 記事中のグラフを見ると、ウクライナ侵攻をした2022~23年にかけて、GDPはマイナス成長になっている。しかしその後プラスに転じ、5四半期連続の成長だ。今年の4~6月期は4.0%の成長。IMFもロシアの今年一年の成長率を3.2%と見ている。

 

        

 

 インフレもあり市民生活は苦しいのだろうが、どうして成長しているかというと、政府支出が大きくなっているから。ありていに言えば、クレムリンが戦費を大盤振る舞いしているのだ。兵器開発・調達・メンテナンス・兵員採用など、カネに糸目をつけず戦力を買い求めているわけ。GDPの算出式は、

 

GDP=国民の消費+企業の投資+政府支出+輸出-輸入

 

 となっている(*1)。政府支出が増えたので、GDPが数値として伸長したわけだ。しかしこれって、本当に成長と言えるのだっけ?政権がGDP〇位奪取、成長〇%目標などを掲げても、国債を乱発すれば達成できてしまうのでは?

 

 そこまで考えて、GDP比200%の政府債務を抱えている日本経済の現状に背筋が寒くなりました。国民はGDP2~3位とプライドをくすぐられているうちに、とんでもない罠にはまったのではないでしょうか?

 

*1:外国人の消費(インバウンド)は統計上輸出に含まれる