Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

欧州のストライキと日本の市民

 欧州が揺れている。もちろんウクライナ紛争が理由のひとつではあるが、問題はむしろ内政にあるようだ。直接戦禍の及ばない市民にとっては、軍事・外交よりも目の前の雇用・賃金・年金・保険・物価が大事。EUの中でも比較的豊かな国である、ドイツ・フランスの国民にも内政の不満が高まり、ストライキなどの抗議運動が激化している。

 

欧州で大規模ストライキ頻発 物価高に不満、実質賃金伸びず - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 今年になってイギリスでトラック運転手などの不足で物流が停滞したのは、Brexitによる人手不足が原因だと思っていたが、物価高(日本の比ではない)による生活苦も要因だったらしい。フランスでは年金改革(市民にとっては改悪)案を強行しようとしているマクロン政権に抗議してのスト。花の都パリのゴミ回収ができなくなって「ゴミの都」になってしまった。

 

    

 

 そして先月末には、ドイツで過去30年間で最大規模のストライキが発生している。統一通貨ユーロの下ではたった1国の勝ち組だったドイツでも、このありさま。まさに欧州全体が内政危機にあるということだ。

 

・もう政府にはカネがない

・何らかの形で国民負担を増すしかない

・一方エネルギーなどの高騰による物価高

 

 市民は、パイが今後大きくならないことは理解した。それならば、これ以上自分の取り分が減らされないように声を上げ始めたと思われる。

 

 翻って日本だが、少子化対策・こども予算倍増の財源論が始まり、増税ではなく保険料からの支出も考えるという。これ以上負担させられたら、子供を持つこと自体富裕層の特権になるとの声もある。すでに国民負担率が46%にまで昇っていて、さらに保険料負担増になると「五公五民」から「六公四民」の悪政になるとネット上では非難が高まっている。

 

 しかし、欧州のような大規模ストライキの気配はありませんね。ガバナンスが効いているのか、市民が大人しいのですか?