この日は夕刻、ニューオータニでの式典に参加することになっている。主催はフジサンケイグループ、月刊誌「正論」が選んだ2022年度の大賞・新風賞・特別賞の表彰式である。縁あって招待状が来たのだが、どんな人たちが参加するのか全く分からない。少しだけ不安な気持ちを抱えて、赤坂見附の駅から歩いて行った。途中名古屋の企業の知り合いに会い、なるほどサイバーセキュリティ系の人にも声がかかっているのが分かった。
さらに何人か知り合いに会えたのだが、昨日紹介したJNSAの会合と違い、豪華で厳粛、TVで見かける論客の姿もありちょっと緊張。会場の一角には、故安倍元総理のパネルや動画が展示されている。そうそう、特別賞は安倍元総理だった。
大賞受賞者は元空自の戦闘機乗りで、空将まで務めた人。何年か前から「正論」の執筆陣に加わって「歯に衣着せぬ安全保障論」を展開していたという。「正論」はもちろん、産経新聞も右寄り紙。挨拶に立った関係者は口々に、
・防衛関係3文書改訂
・敵基地攻撃能力保持
・核兵器についてもタブーなく議論
して、ようやく闘える自衛隊(&日本)への道が開けたと賞賛する。それを先導(not扇動)したのが安倍元総理だというのだ。
産経新聞の対極にあるのが朝日新聞、ある人の挨拶の中には「アサヒは読んではいけない。(ビールとして)呑むべきだ」とのギャグがあり、満場の笑いを誘っていた。受賞者への賞品、記念品授与、御礼挨拶が続き、特別賞で安倍昭恵夫人が壇上に登った。〆の挨拶は櫻井よしこ氏。僕も決して左寄りではないが、ちょっと迫力に圧倒される会合だった。
嬉しかったのは、乾杯でいただいた純米大吟醸「正論」。有名俳優の実家が酒造会社で、そこに特注して造ってもらっているお酒。その名を刻印したマスもいただけましたし、早々に引き揚げよう。芙蓉の間を一杯にするメディアの威力を十分見せつけられました。僕にはちょっと場違いな会合でしたね。