Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

インフラメンテの現場、桜川市(4)

 午後も現場の見学。橋梁メンテナンスの作業を、タブレット上のアプリを使って合理化したというデモを見せてもらった。橋梁の下部に潜り込んで、ひび割れや剥離、鉄骨の露出を見つけ記録する作業は、結構大変。しかもそのデータを持ち帰って、資料にまとめる必要がある。それをこのアプリでは、

 

・あらかじめ、図面はタブレットに入っている

・カメラで撮った画像は、その場でタブレットに送られる

タブレット上で必要なメモ入力などして、報告書はおおむね完成

 

 という具合。その他、Connected Carからのデータで路面の損傷具合を測定したり、衛星からの電磁波で地下の漏水を見つけたりする新技術導入は進んでいると説明を受けた。

 

    

 

 さらに何ヵ所か巡り、市内を見た印象は、平地が多い、耕作していないところはソーラーパネルが目立つ、1軒1軒の屋敷が広く立派な建物、しかし時々廃屋が放置されているというもの。この地域は、江戸時代は水不足で石高が伸びなかったのだが、二宮尊徳の用水整備によってコメどころとなった。中心街真壁地区には豪商も多く、豊かな街になった。

 

        

 

 現場視察の後、議論の場として用意してもらった「真壁伝承館」の周辺は、古くて豪華な建物が一杯ある。ある委員の先生は「高山みたいだが、高山より土地は広い」と言った。この市の人口は4万人弱、人口減少が続いている。だから、

 

・耕作地はあるのだが、農業人口が減っている。

・非耕作地は、ソーラーパネルを設置する。

・先祖からの広い宅地はあるが、維持に困っている人もいる。

 

 のだろうと推定する。そんな街で、インフラメンテナンスを担う人たちは何を悩んでいるのか、専門家と市役所の人、さらに地元の請負業者さんたちも含めた意見交換が始まった。桜川市だけではなく、近隣の筑西市益子町の人もいる。

 

<続く>