Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

もう製造業じゃないのに・・・

 何度か自動車産業のことをとりあげて、もうそろそろ製造業から脱皮すべきだよねと申し上げてきた。ハイブリッド車では残っていた内燃機関が無くなり、電気自動車の時代になれば部品点数はぐっと少なくなり、特殊な技術も不要になるものもあるからだ。

 

ああ、トヨタも誤解している - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 しかし数次の下請け構造で、カンバン方式という強固なアーキテクチャを構築しているため、事業構造の転換が難しいという声は多い。そんな事業構造の破壊者になりそうな企業はいくつか見えてきていて、「アップルカー」を売り出そうとしているアップルや電気自動車の雄テスラらである。

 

 今回テスラの製造方法について、ボディをアルミ鋳造の一体成型で作る<ギガプレス>と言う手法で簡易化するとの記事があった。

 

6万社の下請けが不要になる…「おもちゃのように車を作る」というテスラ方式はトヨタ方式を超えられるのか 自動車のものづくりを根底から変える「ギガプレス」 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

    

 

 この記事の意図は、日本の自動車「製造」業が構造転換を迫られているが出来ないだろうということらしい。しかし僕に言わせれば「もう自動車産業は製造業ではない。作るよりもどうやって動かせるかが勝負を分ける」ということ。製造方法など<ギガプレス>がダメなら<3Dプリンタ>でいいではないか。

 

 あえて製造に拘るなら、自動車を動かすためのソフトウェア「製造」に注力した方がいい。6万社あるという下請け企業の顔ぶれも、ずいぶん変わるだろう。TSMCに倣い自動車の物理的な部分だけを高度な技術で作るファウンダリー産業も出てくるだろうが、これも日本にある必要はない。

 

 次世代の自動車産業の覇者になりたいなら、運用側に廻ることですよ。モノは誰かが作ってくれます。