昨日、久しぶりに食べた「味噌カツ」のことを紹介したが、思い出したのは「わらじカツ」という言葉。かの店のトンカツが、東京で食べるものに比べて薄っぺらい(叩いて伸ばしてある)ことに気づいた。名古屋にいたころは、薄い豚肉を揚げたものが標準的なトンカツだと思っていた。東京に来て驚いたのが、豚肉の厚みとカラシを付けることだった。なぜ叩いて伸ばすかというと、コロモをたっぷりつけてボリューム感を出すケチ根性と、叩いた方が繊維がほぐれて旨味を出すことが理由だという。
今年の初めに、おなじみ「松のや」が<わらじかつキャンペーン>をやったことがある。懐かしい言葉だったので「わらじかつ丼:590円」を食べて見たのだが、あまり感動は無かった。お店としては僕が食べたシングル(かつ1枚)ではなく、ダブル(同2枚のせ)が売りたかったようだが、初老の僕にはとても食べられる量ではない。
その後、この茅ヶ崎駅近くのお店はリニューアル工事でしばらくお休み。先日行ってみたら、<マイカレーキッチン>の店名でカレーメニューも加わり、新しくなっていた。席数は少し減ったような気がするが、アクリル板で仕切られたカウンター席は広くなっている。何より変わったのは、食券を買った段階で調理が始まり、食券に印刷された番号で出来上がりを知らせてもらい取りに行く方式。
よく駅そばであるやり方で、省力化を図れている。調理場で働いている人も、以前は3人だったが2人になったように思う。昼時を過ぎていたので、店内には先客は4~5人だけ。この週、ヒレかつ増量キャンペーンだったので「ヒレかつ定食:830円」の食券を買った。5分ほど待って、番号を呼ばれてお盆を取りに行った。かなり厚めのひれかつが通常3枚のところ4枚のっている。ナナメに切れ込みを入れているせいもあるが、分厚さが際立つ。
ヒレは鶏でいえばササミの部分、脂肪分がほとんどなく淡泊な味わいが特徴だ。中濃ソースと特濃ソースを各々2枚にかけて食べ比べた。どちらが美味しいとはいえないが、ヒレの淡泊さを少しカバーする程度。このくらいが好みで、ヒレかつはやっぱり歯ごたえが大事。
名古屋の薄く伸ばしたトンカツ、関東の厚みを活かしたトンカツ。どちらも美味しかったですよ。ごちそうさま。