Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

商工会議所の役割(1)

 「サイバー攻撃、怖いですよ~」「サイバーセキュリティは経営者の責任ですよ~」と方々でお話ししているのだが、そういう場の大半は今ではビデオ会議。リアル会議が復活しつつあるのだが、それでも東京23区内での機会がほとんどだ。僕の活動など大したことはないにしても、多くのイベントも大多数の識者も東京地区に集まっていることは確かだ。

 

 地域のサイバーセキュリティを議論する会合では「東京は特殊なんだ!」と力説する人もいた。霞ヶ関・永田町・大手町で考えたって、所詮地方の実態を知らないひとばかりの議論、役に立たないと言いたげである。

 

 だから先日も九州のイベントに出かけたし、「COVID-19」禍が治まりつつある中で地方都市へ行く機会は逃さないようにしようと思っている。今回お声がかかったのは、1年半前にお話しさせてもらった名古屋商工会議所さんのイベント。

 

いい警官役と悪い警官役(前編) - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 あの時のセッションの評判が割と良かったらしく、今年3月に地元の大企業トヨタさんの大手納入先がランサムウェア被害に遭ったこともあって、もう一度同じペアで話して欲しいと言われて出かけることにした。

 

    

 

 ある製造業の部会で、年次予算や役員異動を審議してもらう会、そこでサイバーセキュリティの最新動向や気を付けるべきことを話して欲しいとの要望だった。相方の悪い警官役の人とは、先日もビデオセッションを一緒させてもらっているから、お互いに何を話すかは予想が付く。スライドは早めに先方に送っておいた。

 

 準備は万端だったのだが、運の悪いことに当日は大雨。早めの列車で出かけることにして熱海駅まで行くと<ひかり号>がやってきた。おかげで予定より2時間近く早く、名古屋駅についた。

 

    

 

 名古屋商工会議所は、地下鉄伏見駅を降りて、徒歩5分ほど。雨雲は西に行くほど薄くなり、商工会議所ビルに着くころは霧雨程度になっていた。サイバーセキュリティの中小企業への普及については、以前紹介した大阪商工会議所の取組みが際立っているが、名古屋も負けじと力を入れ始めている。独自の中小企業向けの対策メニューもあって、安価で提供できるようにしたという。ただ、メニューはあっても企業経営者がその気にならなければ、使ってもらえない。

 

<続く>