今月も熱海に来客があった。ひとつには「COVID-19」禍が（新規感染者はいまだに多いけれど）治まりを見せているからだ。もうひとつの理由は、僕が長年勤めていた会社を（名実ともに）辞め、しがらみが無くなったこと。これまでも業界団体や政府の会合などで付き合いのあった人達が、企業名に遠慮することなく訪ねて来てくれるようになったのだ。
この日の来客は大手通信会社の人、以前から宿泊付き社内研修のいい場所はありませんかと聞かれていて、駅に近い「通える温泉ホテル」を紹介していた。その合宿をするのだが、合宿前のランチを一緒にいかがですかということだった。
ただこの日は、午前中一杯ビデオ会議があり、その後東京オフィスでリアル会議をするので、1230～1400の間しか時間が取れない。熱海銀座まで行く時間があれば、おすすめは先日紹介した「味里」なのだが、ちょっとそれは無理そうだ。来客の方も、借りた会議室は駅前の＜熱海第一ビル＞にあるそうだし、合宿所は＜平和通り＞のホテルだ。
そこで、駅周辺でお魚を食べられるところとして選んだのが「海蔵」さん。＜平和通り名店街＞のほぼ中央に位置し、「魚とや」という干物屋兼料理屋の２階にある。このあたり、金目鯛などで有名な「徳造丸」の支店で金目鯛バーガーを出す店や、イチゴ大福の店など、新しい店が多いところ。
ちょうど店の前で出会ったので、二人で２階へ上がった。カウンター６席と、小上がりに６人掛けテーブルが３卓あり、２卓は埋まっていた。観光客らしい家族連れと女性ばかり４人のグループがビール片手に談笑中。
一番奥のテーブルに案内され、彼が選んだのは「金目鯛の煮つけ定食」、僕は「ブリの塩焼き定食」である。お茶を飲みながら話し始めたところによると、彼も来年60歳の定年。まだその後の職場は決まっていないのだが、社外活動は可能になる見通しで、僕らがやっている一般社団法人の活動に参加できないかという問い合わせだった。
付き合いの長い、僕よりちょっと若い人たちも定年時期を迎えていて、似たような話は何人かの人から聞いている。すでに協力してもらっている人の例も紹介して、落ち着いたら連絡くださいと言った。
定食はどちらもボリュームたっぷり、ご飯はお替り自由で、見たこともない厚さのブリの切り身を堪能しました。また来客があれば、ここも案内さしあげてもいいかなと思います。
