Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

地方議会の意味を問う

 熱海で暮らすようになってから、20年以上が過ぎた。現役時代には気にも留めなかったことだが、最近市議会の活動には少し興味が出てきた。時々「市議会便り」というチラシのようなものが、新聞受けに入っている。内容は市議会全体の議論、市長提案の条例案などについての決議、個々の議員の質問等だ。

 

 国会議員との付き合いは20余年を数え、直接意見を交わすことや、政党などの会合でお話したり、民間の会合に来てもらったりして、多少「何をしている人たちか」は理解している。しかし県議会(静岡市は遠い・・・)や市議会の議員とは、まるきり会ったこともない。チラシにある議員の議会での質問内容を見ると、当たり前だがとってもローカルで狭隘な話ばかり。本来市議会は行政府ではなく立法府、なのに条例を作ったという(自慢)話は見たことがない。これは熱海市に限った話ではなく、条例案・予算案を含む市長提案の議案の97%は、そのまま可決成立するらしい。

 

地方議会のお仕事 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 熱海市の市議会議員は15名。立候補者は15~16名で、一人落選するかどうかの選挙が続いているような気がする。果たしてこんなものが必要なのかと思っていた。

 

    

 

 最近知ったのだが、広島県安芸高田市で、市長と市議会が対立して1年半も市政が進まない事態だという。市議会は副市長を2名から1名に減らす議決をしてしまうし、市長は市議会の定数を半減(16名⇒8名)する議案を出し「居眠りする議員もいた」などとSNSに投稿、市民に「議会の機能不全を糺すこと」を訴えている。

 

メガ銀出身の市長、「議員半減」案で議会と1年半以上対立し…市民「子どものけんかのよう」 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

 安芸高田市の人口は約27,000名。熱海市(約35,000名)の8割ほどだ。16名はやや多いかなとの印象だが、半減すると全国の市の中で一番少ない定数になるという。市長はメガバンクのエリート社員だった人、民間の感覚とはまるきり違う市政&市議会の緊張感のなさにキレたように見える。

 

 市民は「子供の喧嘩」と冷ややかだが、これこそが地方自治の危機。日本維新の会が言うように「行政府・立法府が身を切る改革」をするべきで、現状を受け入れてはいけないと思う。え、NINJA君も熱海市政に挑戦すべきですって?うーん、悩みます。