定刻より少し前に、飛行機の扉が閉まった。やれやれ、なんとか帰れそうだ。日本海で「ロケットマン」のミサイルにでもぶつからない限りは･･･。ちなみに、ルフトハンザもそうだが、欧州系の航空会社は日本海を避けて北海道上空を飛んで成田／羽田に向かうことにしている。
順調に飛行が始まり、アミューズでもつまんでワインの１～２杯飲んでねてしまおうと思っていると、立派な体格の男性ＣＡがディナーメニューを持ってきた。おいおい、現地時間でもう25時だよ。こういう深夜便では出発直後は軽食を出し、ひと眠りの後メインのディナーを出すのだと思っていた。どうもこのフライトは違うようだ。
眠いのだが、せっかくのフランスワインを飲まずに眠るようでは「呑み助」の看板を下ろさないといけない。マナジリを吊り上げてメインディッシュにビーフを選んだ。食事がくるまでの間、眠ってしまってはいけないのでＴＶを見ることにした。エンタメメニューを見ると、慣れ親しんだ米国ドラマ「ＮＣＩＳ」があった。
ＴＶの画面は通路に直角なので、ややナナメに座っている乗客に正対していない。しかし画面右下のボタンを押すと左側がポップアップして画面がナナメになり視聴者に正対する。なかなか芸が細かい。いつも青い日系航空会社の機上で見ているのとは１～２年古いシーズンのＮＣＩＳだったが、懐かしく見ていると食事が運ばれてきた。
前菜のサーモンの厚切りは美味だったし、ブルゴーニュの白ワインとよく合った。メインはビーフの唐揚げ、これはいまいちだったがボルドーの赤で食べる。画像の奥に見える黄色いものがシェーブルとゴーダチーズの盛り合わせ。前菜の一つとして提供されたのだが、ちゃんとフタがついていて乾燥をふせいでくれるので、デザート代わりに最後にとっておいた。これがボルドーの赤によく合って、３杯飲んだ。
右から、カボチャ風味のシャーベット、メロン風味のシャーベット、バニラアイスクリームの順。もちろん美味しかったし、何よりもおしゃれな食事、座席、エンタメでした。うーん、これはやっぱりフランス風でしたね。また乗りたいです。
＜初出：2017.10＞
