Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

メタバースというリスク

 このところ「メタバース」という言葉が良く聞かれる。昨年<Facebook>が社名を<Meta>に変更すると聞いたときは、「仮想空間に注力する」という言い訳で、各所に起こしている摩擦を軽減しようとしたのだろうと思っていた。今後は「GAFA」ならぬ「GAMA」だな~くらいの感触だった。

 

 しかし今年になって<Microsoft>がゲームソフト会社Activision>を8兆円近い金額で買収すると発表し、巨大ITが仮想空間からメタバースの世界へ傾斜していることが明白になった。

 

 「メタバース」は、超(Meta)宇宙(Univerce)を合わせた造語で、ネットワーク上に構築された現実世界とは違う3次元仮想空間・世界のことだ。僕のようなシミュレーションゲーマー崩れは、戦場でのサバイバルゲームなどを思い浮かべるのだが、もっと平和な日常の生活をするというものもある。

 

 仮想空間に自分のアバターを住まわせて、もう一つの生活を楽しむという使い方もあるらしい。最近教えてもらったことによると、そこでは暗号資産とは違った貨幣が用意されていて、土地や建物から小物にいたるまで売買ができるという。でも中央銀行が存在していないらしく、土地の登記やそもそも住民の戸籍もないのではないか。

 

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 ここまでくると、本来現実世界とは違うはずだったものが、現実世界と何らかの関係を持つ存在になりかねない。現実世界の「汚れたカネ」を仮想空間でロンダリングするようなことができるとすれば、これは新しいリスクだ。この空間には、支配者もいないが個人の権利を守る法律もない。そう考えた時、いくつか思い当たることがあった。

 

1)ユーラシアグループのリスクの2番目

 テクノポーラー(巨大IT)の支配が挙げられていたが、僕自身はそこまで深刻には思っていなかった。しかし無法地帯が広がろうとしているなら、確かにリスクだ。

 

2)習大人のゲーム規制

 昨年から子供たちにゲーム時間の制限をしているのは、ひょっとして「メタバース」に過度に入れ込んでしまう子供を減らすため?ゲームが進化して別世界を作ってしまったら、それが「デジタル太平天国」だったら、政権には危機だ。

 

 戦場でリアルに見える武器をぶっ放しているくらいの方が、平和的なのかもしれません。新しい「リスク」のように思います。