Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

カザフスタン争乱の「なぜ」

 ロシア・ウクライナ国境の緊張は米露の対話が進んでいて、今すぐの何かは無さそうに思える。しかし紛争のタネはそれだけではない。ウクライナ同様旧ソ連邦の一員だったカザフスタンで、内戦に近い状況になっていて、ロシア軍が現地に入って治安活動を始めている。プーチン大統領は、明らかに旧ソ連邦諸国を糾合しようとしていて、今回の軍隊派遣もその一環と思われる。

 

反政府デモで少なくとも164人死亡か カザフスタン騒乱 - BBCニュース

 

 カザフスタンはこの周辺にある「~スタン諸国」の中で最大の面積を持ち、ロシアに直接国境を接している。ちなみに<スタン>というのはペルシア語で「国」のこと。また<カザフ>というのはトルコ語で「自由・放浪の民」のこと。英語読みすれば<コサック>である。

 

 アフガニスタンなどは論外としても、この辺りの国の政治的な安定性は高くない。しかしカザフスタンだけは、独裁の傾向はあるものの政治的に安定していたので、今回の紛争には驚きの声も出ている。

 

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 この記事では、エネルギー価格の上昇に対する抗議デモがきっかけで、デモ隊などを反乱分子とみなした当局が発砲を開始、多くの犠牲者が出ているとある。拘束された人は、6,000名にも及ぶという。この事件には複数の「なぜ」がある。

 

・主に石油、天然ガス産業の国で、エネルギー高騰がデモを引き起こした理由

・市民のデモ隊に発砲し、またロシアに援助を求めた理由

 

 加えてこの国は資源大国で、例えばウランの埋蔵量は全世界の2割にあたることも忘れてはいけない。ここまで考えて、もし僕が謀略小説を書くとしたらこんな仮説があるかなと思う。

 

 カザフスタンの東側に、長い国境を接した国がある。この国は大量のエネルギーを必要としている上に、米露に次ぐ核兵器大国を目指して、戦略核の増産に躍起だ。ただ今のカザフ政権は親ロシア、何らかの謀略によって政権を替えることを考えているかもしれない。であれば今回のデモは、エネルギー高騰が理由で起きたのではない。政権をゆさぶる手段だった。それを察知した政権側と、後ろ盾のプーチン大統領は「デモ隊を反乱分子として、いち早く軍事介入し、かの国の謀略を封じた」とも考えられる。

 

 ロシアとかの国は外からは蜜月に見えるかもしれないが、実態は相互に脅威なのだ。この紛争、おそらくこれで決着。すべては闇の中に・・・のように思います。