Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

テレワーク状況を管理する?

 「COVID-19」禍が治まってきて、街に人出が増えてきた。テレワークも減っているようだが、東京23区に本社を置くような大企業や先端的な企業では、テレワークは新しい働き方として定着している。経団連会長が「出勤7割削減の見直し」を求めたのも、一律の削減は経済合理性に反すると言っているだけで、再び出勤して会社の中で働けという話ではない。

 

 ただ「新しい働き方」には、まだまだ詰めていかなくてはいけない課題も多い。僕は根本問題は「出勤することが仕事のメンバーシップ型雇用から、ミッションを定めたジョブ型雇用への切り替え」だと思っているが、すぐには出来ない企業もある。ある書では「まず役割給人材と職務給人材に分けなさい」と言っていて、一人が2タイプを兼ねても構わない。各々の仕事の内容で給料を決めていけば「ジョブ型への転換」がしやすいという。

 

 会社側及び管理者にとっては「ちゃんと働いているか」をチェックしたいという思いはある。だから朝礼・夕礼をやるとか、何時間何をしたなどと無用な報告を求めるケースもあるやに聞く。あるシステムセキュリティ会社が、従業員のPCのモニタリングをするツールを売っていて、有名な俳優2人に会話させるCMを流している。

 

        f:id:nicky-akira:20211202173806j:plain

 

ベンダー「社長、テレワーク進んでいますか」

社長「頑張っている社員たちをどう評価すれば」

ベンダー「それには結果だけではなく、プロセスも見ることです」

 

 そして、社員のPC画面がズラリと社長の前に現れるシーンで終わる。台詞は「頑張っている社員の評価」だが、実態は「さぼっていないかの監視」に見える。さすが日本のメンバーシップ雇用管理だと思っていたら、これは洋の東西を問わないことが分かった。

 

リモートワークのパソコン画面、上司から丸見え…米企業の60%が監視ソフトを導入 内密のリモート監視も違法ではない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

 この記事では、英米の企業では管理者が従業員のPC画面を監視していいるのが普通のように読める。ただ画面のモニターだけでなく、メールへの対応時間やタイピングの速度までレポートできるようだ。

 

 まあ、これも必要悪でしょうか。確かに従業員への信用度は、英米の企業の方が日本企業より低いですからね。