Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「フェイク」の線引き

 ある外資系企業さんと話をしていたら、コンテンツの改変防止の技術を普及させたいという思いを聞いた。デジタルコンテンツは、極めて容易に転々流通する。それはいいのだが、流通先を把握することは不可能なので、勝手に改変され(いかにも本物のように)流通させられることは防げない。

 

 文書の場合は<PDF>という手法があり、改変を防ぐ措置は取られていた。じゃあ、画像・映像はどうかというと、正直危ない状況にある。以前故人の映像等をデジタル化してAI処理したら、いかにも生きているかのように動かし、話させることができると、前向きな話題として紹介した。

 

To Wake the DEAD - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 ただこれも悪用すれば「フェイクニュース」の有力な手段になる。その企業の改変防止技術への取組は非常に価値あるものだが、画像・動画に対してどこまでの変更が「フェイク」かについては、難しい問題がある。例えば、

 

・動画の一部だけを切り取る。

・色調を少し変える。

・画像の一部をボカしたり削除したりする。

 

 ようなことだ。今回、考えさせられる報道があったので紹介したい。

 

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 僕ら夫婦も大好きな函館、中でも有名な観光地である五稜郭で、映像改変の騒ぎが起きている。発端はこの映像と記事。

 

函館・五稜郭の紅葉はいいぞ…赤や黄、緑のコントラストが星形を彩って絶景!秋の五稜郭にぜひ訪れてほしい - Togetter

 

 五稜郭タワーの公式キャラ「GO太くん」の名前で、そのタワーから見下ろした五稜郭の紅葉が、実に鮮やかに写っている写真が掲載された。「いいね」を10万以上も獲得したのもうなづける美しさだ。のちにこれが請負業者の「ゼンリン」が発色加工をしたものと判明、同社が陳謝する事態になった。

 

 僕は大学での専攻は「画像処理」、サークルは「写真部」だったから、映像改変の基礎は(大昔の技術だが)知ってるつもり。色調を変えるには、あのフィルターを使ったのかな、デジタル処理なら・・・などと勝手に想像してしまった。

 

 お話の世界でも「盛る」のはよくあること。でもどこからが「虚偽」なのかは、難しい線引きです。特に事例・判例の少ないデジタル画像・映像の改変については、今後も議論が必要でしょうね。