Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ベース・レジストリの整備

 「DATA Driven Economy」の時代になり、各国政府はデータの収集・活用に向けた取り組みを加速している。日本政府も「包括的データ戦略」を6月に閣議決定している。その関連のお話は、何度かご紹介しその中に、

 

「ベース・レジストリの整備」

 

 と言う言葉が出てきたと思う。今回「デジタル庁」の人から、最新のデータ戦略推進状況を聞く機会があり、その中の半分ほどがこの話だった。そもそも「ベース・レジストリって何?」というと、

 

・デジタル社会の台帳である。

・単なるデータベースではなく、公的にレジスタされた基本情報である。

・呼び出して再利用する情報である。

 

 とのこと。日本政府のキャッチコピーは「使うたび、良くなる、公共のデータ」で、以下の考えで構築している。

 

・ベース・レジストリは、デジタル社会における、あらゆる活動のベースになるデータを誰もが利用できる形で網羅的に整備する。

・誰のためのベース・レジストリなのかをユーザ視点で考え、体験する価値を逆算してデザインする。

 

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 とても大きな話なので、すぐ日本中の「レジストリ」が出来上がるわけではない。どこから始めるのかと聞くと、まず企業活動(例えばスタートアップの起業)が上手くいくようなデータを整備したいという。具体的には、

 

1)法人系

 法人番号・名称・本店所在地、役員・資本金、決算情報、事業所、法人資格

 

2)土地系

 アドレス(町字・地番)、不動産登記情報、郵便番号、地図情報

 

3)行政系

 法律・政令・省令、公共施設、公共系イベント、支援制度、文字情報

 

 から始めたとのこと。法人の見える化をしていくわけで、法人番号・名称・本店所在地などの基本情報は、他の情報を紐づけるのに必要だ。これに許認可・資格・開業などの属性情報を加え、納税・売り上げ・雇用などの動態情報を比較するなどが可能となれば、企業活動の予備調査に欠ける時間と手間が省けるというわけ。

 

 目指すところは「事業者・事業を始めようとするものが、必要な支援を必要な時に、最小限の労力・時間で得られ、自分の経営を強化するためのリソースを官民問わずアクセスできる環境を創出すること」とのことだった。

 

 もともとマイナンバーに個人だけでなく法人IDを導入した目的が、こういうデータ活用だった。マイナンバー導入から10余年、ようやくここまできてくれたのかと安心半分、ずいぶんかかったなと反省半分でしたね。