米国の「一番長い戦争」が終わり、アフガニスタンには20年前同様タリバン支配が戻ってきた。国連でタリバン代表が演説する日も、遠くないかもしれない。もともと米国のアフガニスタン侵攻は、9・11テロの報復だった。米国としては、米ソ冷戦に勝利し、経済大国にのし上がった日本もちゃんとスポイルし、ほっとしていたところに喰らった「奇襲」が9・11。やや冷静さを欠いて、イラクなども含めて「テロ狩り」をした。
それからの20年は、世界中で多くの犠牲者を出すテロ事件が相次いだ。近年の先進各国でのテロを思い出してみると、
2015/11 フランス・パリ同時多発テロ(130)
2016/6 米国・オーランド乱射(49)
2016/7 フランス・ニース・トラックテロ(85)
2017/5 英国・マンチェスターアリーナ・自爆テロ(22)
2019/3 ニュージーランド・クライストチャーチ・モスク乱射(51)
カッコ内は事件の犠牲者、20名以上がその場で命を落としたものだけでこんなにある。それでも2014年をピークに、テロの件数自体は減っているのだそうだ。
欧州の「ホームグロウンテロ」の盛衰。カギはタリバンか?(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
その理由は、事前防止がそれなりに出来るようになってきたからだと、この記事は言う。先日日本でのセキュリティセミナーの案内をくれた英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)の人は、
・近年の欧州における大規模テロの減少は、セキュリティ能力向上が原因。
・テロリストは事前探知によって、テロを実行するのが困難になった。
・欧州の治安当局は、米国からの支援を得ながら警戒システムを発展させた。
と言っている。ここでは詳しく触れられていないが、あらかじめ怪しいと思われる組織・人物に通信傍受等の仕掛けをして得られた「SIGINT」情報が、テロ予防に役立っているのだろう。
これは「予防」か「反撃」か? - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)
日本は欧米に比べて、同一民族性が高く、巷に自動小銃などの凶器も少ない。しかしこれまで大規模テロが無かったからと言って、安心していいわけでもない。欧州の治安当局と同様、日本でも警戒システムの向上は必要だと思います。