Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

Social-DXと政府への信頼(後編)

 昨日「デジタル政策について日本政府は市民の信頼を得たことがない」などと推測を述べたが、今やデジタル政策は非常に大きな位置を占め、デジタルと無関係な政策を探す方が難しいところまで来てしまった。だからSocial-DXを進められるかどうかは、市民の政府全体への信頼度にかかっているとも言えよう。そんな「信頼度」数値がないかなと思っていたら、こんな記事を見つけた。

 

市民の政府への信頼が厚い国、薄い国 日本は37%と低水準 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

 この記事自身は、種々の分断を背景に米国のバイデン政権が市民の信頼を回復できるかと問うもの。ただいくつかの国の「政府信頼度(2020年)」が引用されていて、興味深いものになっている。

 

・スペインとロシア 34%

・日本 37%

・米国 42%

・英国 45%

・カナダ 59%

・オーストラリア 61%

・インド 79%

・中国 82%(ただし前年から8%ダウン)

 

 ひとつの例として「顔認証技術」の適用例を調べてみた。モスクワでは、今月から地下鉄の「顔パス」システムを導入し改札口でキップも電子マネースマホも要らないようにしたのだが、登録者は15,000人に留まっているという。

 

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 これは市民が利便性より、政府からの監視を恐れていることの証だろう。日本ではオリ/パラ期間中にJR東日本が、特定人物(指名手配容疑者・仮出所者・出所者)の顔認証をしていたことが(オリ/パラ後に)発表されて物議を醸し、出所者を登録から外すことになった。一方インドでは、まだ国鉄がカメラ500台ほど入れただけだが、特段大きな騒ぎにはなっていない。

 

 もちろん中国では顔認証技術の利用(僕から言えば濫用に近い)は当たり前、スマホの位置情報も含め完璧なデジタル監視社会になっている。それでも市民から声が上がらないのは、信頼度の差なのだろう。もちろん声を上げられないとういうのも、ありそうな話。先日紹介したように上海から帰国したばかりの人は「外部から見ると強権体制のように見えるが、市民は政権を信頼しているし、政権がもたらした繁栄に満足している」と言っていた。

 

 是非はともかく、Social-DXと政府への信頼度には相関関係があることは分かりました。岸田新政権は、その信頼度をどうやって高めていくのでしょうか?