Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

テレワーク分の給与引き下げ

 「COVID-19」感染拡大対策として菅総理は経済3団体(経団連経済同友会・日本商工会)を廻り、テレワークの徹底により人流7割減を依頼した。経済界の本音としては「出来る企業・部門はもうやっているしこれ以上どうすりゃいいの」だろうが、そこは大人の対応。同友会櫻田代表幹事は「なんとなく出社する管理職もいる」と発言、そのあたりを締めると応じた。まあこの会合自体、総理が出向くという非テレワークで行われたのがご愛敬。ソーシャルディスタンスを取りながら、総理自身が出向くという姿を見せたかったのだろう。どうしても僕には、単なるパフォーマンスに見えてしまう。

 

 僕の周りの人たちを見ると、1年半にわたりテレワークを続けていて出社は1~2回/月くらいが平均だろうか。「COVID-19」以前から、ある種のジョブ型雇用的な働き方をしていた人も多く、そんなにパフォーマンスは落ちてない。むしろ移動時間がない分、2~3回/日の会合がMAXだったのを4~5回詰め込めると喜んでいる人もいる。

 

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 ただ揺り戻しの動きはあって、「Apple」が週3日は出社するようにしたのは、今年の6月。今回は「Google」と「Facebook」が、テレワーク(のみ)の従業員の給与を減らすことを考え始めた。

 

グーグルは25%減給の可能性を示唆… 勤務形態と給与が労使の新たな争点になるのか | Business Insider Japan

 

 内容を見ると生活費の安い地域に移住したので、生活保障分の給与は(土地によって)割り引いてもいいだろうということらしい。このような先端的な企業でも純粋な成果報酬ではなく、生活保障を含む給与体系だったことに驚いた。確かにシリコンバレーなどの生活費は異常に高い。その分を上乗せして雇っているから、テレワークなら割り戻せというのも分からなくはない。

 

 ただこれらは業務の都合上テレワークを制限する「Apple」とは違い、雇用契約・給与の決め方の問題。生活保障分がいくらで、成果報酬分がいくらと決めておけばいい話だ。生活保障分は居住エリアで定額を決めればいい。この記事に言うように「労使の新たな争点」には本来ならないはずだ。まあ、ある種の(マイナスの)通勤手当のようなものと思って貰えばいい。

 

 この例をもって「だからテレワークは良くない。会社に行こう」などと宣伝して欲しくはないですね。