Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

さて次は、半年後の北京大会

 東京オリンピックは17日間の熱戦が終わり、僕らが心配した社会的混乱を引き起こす何かは(目に見える範囲では)起こらなかった。まだパラリンピックが残っているとはいえ、ここまでの政府や重要インフラ企業の「サイバーセキュリティ対応」には敬意を表したい。

 

 サイバー空間の問題からは離れるが、「COVID-19」禍での強行開催に多くの市民が疑問を感じていた。しかし結果としては6割くらいの人が「やってよかった」というのだから、まずは成功といってもよかろう。

 

 こうなると、次は半年後に迫った北京オリンピック冬季大会がどうなるかに興味が集まるだろう。普通にオリパラを祝うには、課題が多い。

 

・香港への介入、新疆ウイグル等での迫害、台湾への強硬姿勢に反発する各国

・マイナス25度のなかでの「COVID-19」感染拡大の恐れ

・そもそも「COVID-19」発祥地である中国に対する各国の不信

 

 などあって、ボイコットすべしとの声も聞かれる。今回の東京オリンピックでもそうだったが、スポンサー企業が前面に出てこられなくなった。競技会場が無観客で飲料を呑んでもらえなかったなどというのは小ネタで、積極応援をすることで企業価値が棄損する可能性すら出てきたのだ。

 

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 北京オリンピックのスポンサー企業を調べてみると「ワールド・パートナーズ」には、コカコーラ・アトスオリジン・GE・レノボパナソニック・オメガ・サムスン・ビザ・J&J・コダックマクドナルド・マニュライフの名前があった。最上位ランクのスポンサーだからだが、中国企業は意外と少ない。

 

 7月に米国議会は米国のスポンサー企業(ワールド・パートナーズより下のランクの企業も含め)を呼んで、北京オリンピックの延期か開催場所変更を要求するよう迫った。しかしほとんどの企業は「開催地決定には関与していない」と逃げたという。

 

 世界中で「デルタ株」が猛威を振るい、中国国内でも厳戒態勢にあるらしい。さらに「ラムダ株」と言う新種も控えていて、とても半年で「COVID-19」禍が収まるとは思えない。そこで北京オリンピックも「無観客」が議論されている。習大人にとっては絶好の「国威高揚」の場、第三期の政権確立のためにも成功させないといけない。

 

 しかし米英はじめ「包囲網」は厳しさを増しています。さて、どうなりますかね。