伊豆山土石流の行方不明者捜索や、復旧作業はまだ続いている。そんな大事件がありながら、熱海市の「COVID-19」ワクチン接種は順調に進んでいる。当マンションの65歳以上の高齢者はほぼ2度の接種を完了、64歳以下の接種が始まっている。家内も先日最初の接種を受けてきた。
当マンション最大の社交場は「大浴場」、風呂バタ会議である。男風呂の方は、接種したか、副反応はどうだった程度の会話しかない。ひとり病理学のお医者さんがいて、無知な僕らにいろいろサジェッションしてもらえる例外があるくらい。しかし女風呂の方は、いろいろかまびすしい。予約が始まった当初は、
・電話通じなくて、インターネットわかんなくて
・粘ったら採れたの、ラッキー
のような会話で始まり、大都市から頻繁においでになるリゾートの奥様がムッとなったという話も聞く。やがて、
・副反応、モデルナ・アームズの写真撮ったの
・2度目打てたの、もう安心よ~
となっていった。熱海での「COVID-19」新規感染者は非常に少ないのだが、それでも早く安心したいという気持ちは、皆さん強いようだ。一方で副反応(正直に副作用と言った方が、素人には分かりやすいと思うのだが)への心配は、決して少なくない。
さすがに米国のデマのように、
・DNAが変ってしまうらしい
・政府制御のマイクロチップを埋め込まれる
などの話題はないのが救いだ。それでも神経質な人の中には、接種予約の前日に嘔吐・下痢などの症状が出て、それでもせっかく予約したのだからと必死に病院に行き、副反応の例示パンフを見て、
「これアタシ、昨日やった!」
と叫んだ人もいたらしい。実際接種後は(先取りした)副反応は出なかった。帝都大学湯川学准教授も真っ青になる、予知能力をお持ちのようだ。極めつけは夫婦喧嘩、奥様に対してご亭主が、
「肩に打ったって?打ちどころが悪い。コメカミに打って貰えば、性格が治ったかもしれないのに」
と暴言、困った事態になったらしい。僕などそんなこと言ったら、ご飯を作ってもらえなくなってしまう。そんな話が飛び交う当マンションの社交場、まあこれも平和ゆえということでしょうね。