Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

DXの戦術・作戦・戦略(前編)

 DX(Digital Transformation)が、企業の将来を決めると言われるようになって久しい。欧米の企業の成功例、特にGAFAのようなプラットフォーマーの事業拡大ぶりを見ていると、日本企業の遅れが目立つとの記事が多い。メディアはややセンセーショナルに書いた方が売れるので、どうしてもそう傾きがちだが、欧米にだってDXできなくて困っている企業は多い。

 

 GAFAや中国のBATなどの例に惑わされず、自社のDXどうあるべきを日本の経営者は考えていただきたい。そんなことを思っていたのだが、先日某省OBの方からDXの進め方についての持論を聞くことができた。もちろん有意義なお話だったのだが、僕自身も本件に関しては自説がある。ただ伺うだけでなく議論しているうちに、一つのピラミッドが見えてきた。それが「DXの戦術・作戦・戦略」論である。それを今日はボトムアップ方式でご紹介したい。

 

 まずは戦術面。それもどのツールを使うとか、アプリを選ぶという話ではなく、担当部署・要員のマインドセットを変えることが中心である。どんな職場でも、現状を変えたくないという「慣性力」はある。それを打ち砕くには「心」から変えないといけないということ。識者によれば5項目評価ポイントがある。

 

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◆挑戦 できればやりたくない ⇒ 新しいことに挑戦したい

◆障害 壁にぶつかったらあきらめる ⇒ あきらめず耐える

◆努力 忌まわしい ⇒ 結果を得るためには欠かせない

◆批判 ネガティブなものは無視 ⇒ 真摯に学ぶ

◆他人の成功 脅威に感じる ⇒ 学びや気付きを得る

 

 ように「硬直マインドセット」から「しなやかマインドセット」に変えると、急激に変化する環境下でも十二分な実力を発揮させられるという。兵力が充実してきたら、作戦指揮官は自らの作戦の精度を挙げることに注力できる。その精度はいくつかの指標で計ることができる。

 

 例えば、独立行政法人情報処理推進機構(Information-technology Promotion Agency:IPA)では、DX推進企業を表彰するなどまさにプロモーションしてくれているが、その評価に使うチェックシートを公開している。

 

<続く>