Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

日本はやっぱり安かった

 今週から日経が「安いニッポン」という特集を始めた。最初に例に挙げられたのが「ネットフリックス」の料金設定。各国でバラバラだった価格設定を見直し、平準化する方向で値上げを行っているという。日米であった格差は平準化後はほぼなくなり、日本の値上げ率は13%なのに米国では8%ということになった。

 

 これまで種々の物が安い日本ということで、サービス価格を抑えてきたコスモポリタン企業が「あるべき姿:全世界いつでもどこでも同料金」に向けて動きだしたということだろう。グローバル経済下では「安いところで買って、高いところで売る」のは当然。加えてデジタル経済になって「ネットフリックス」のようなビジネスは、商品の輸送コストはゼロに近い。"Global & Digital"で起きるべきことが起きただけだ。また、

 

外資による搾取だ

・庶民の暮らしは苦しくなるばかり

 

 の大合唱が聞こえてきそうだが、これまでが「安すぎた」とは思われないのだろうか?

 

「安いニッポン」中藤玲著/日経プレミアシリーズ|日刊ゲンダイDIGITAL (nikkan-gendai.com)

 

 この記事に紹介されているように、年収1,400万円はカリフォルニア州などでは低所得層の分類される。グローバルビジネスが「庶民向けサービス」と銘打っても、それはその程度の年収の人達を対象にしているのかもしれない。

 

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 15年ほど前から、僕ら夫婦は時間を見つけては海外旅行をしてきた。その主な目的は「現地の美味いもの」なのだが、それが「安く」手に入ればもっと嬉しい。それが徐々に「安さ」を感じなくなってきていたのは確かだ。昨年は「COVID-19」騒ぎもあったが、宜野湾や函館で満足している次第。

 

 ただ上記の記事で語られていないのは、為替問題。1ドル=110円というのはいかにも円安すぎないか。最低でも1ドル=100円、できれば80円くらいなら消費者として納得がいくのだが。

 

 「アベノミクス」で円安誘導は、当時は正しかったのかもしれない。しかし製品輸出産業を優遇する円安政策を転換して、円高誘導は出来ないものだろうか?日本の製造業は日本以外でもモノづくりをしている。世界の産業が日本の消費者をかえりみなくなる前に、円高転換をお願いしたいです。