Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

土地取引規制法成立(後編)

 どこが「骨抜き」かと言うと、公明党が「自由な土地取引を阻害する」と申し入れて来て、「都心の人口密集地域や市街地を特別注視区域から外す」としてしまったこと。例えば防衛省のある市ヶ谷の1km圏には、公明党支持者がお持ちの不動産が一杯あったのかもしれない。ひょっとして池田大作名義の土地も・・・。これらの自由な取引、というより不動産価格の下落を危惧しての申し入れだったと思う。

 

 この点のリスクとしては、防衛省に面したマンションの一室から、

 

・監視、盗聴をする

・電波兵器で体調異常を起こさせる

・狙撃もしくは携帯用重火器で攻撃する

 

 などが考えられる。なんとか成立にこぎつけて、米軍はじめ各国の手前、体面を保てた恰好である。だが、

 

防衛名目の土地規制法が成立「あまりに内容すかすか」 私権制限の懸念ぬぐえず:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 

 この記事のように具体的なことが記載されていない「内容スカスカ」との批判もある。防衛に関して一家言ある長谷川幸洋先生の東京新聞とも思えない、あまり論理的でない批判だ。

 

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 実際にどこが「注視区域」や「特別注視区域」なのか、基地(反対)運動などの団体が不動産所有者でなければ調査対象でないというが本当なのか、外国人でなくても調査対象になるのではないかなどの疑念があるという。

 

 こういう点については、法律上いちいち記載するのではなく、政令・省令で定めたり、管掌官庁が通達やガイドラインを出したりするのが普通。例えば、昨年末の国会で成立した改正個人情報保護法では、現在ガイドライン案がパブコメにかかっている。先週業界団体の会合では、個人情報保護委員会の人が来てガイドライン案を説明し、かなり細かな点について産業界の人からの質問に答えていた。

 

・個人情報利用停止に至る、本人の利益・権利を損なうおそれ(法の条文)の例

・漏洩事案等の委員会への報告が「速やかに」とあるのは何日くらいか

・新設される「仮名加工情報」の加工基準と具体例

 

 などを官民会合で延々議論して、ガイドラインを練り上げている。「重要土地取引規制法」も当然そういうプロセスは踏むはずで、これからプロセスがスタートするのだ。その過程で、この記事の指摘は解消されていくと思う。

 

 「Five Eyes」入りの道は遠いですが、この法律もその一里塚になると信じますよ。