Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

アナログでも出来る「Post Truth」

 いわゆるフェイクニュースというものが代表的なのだが、SNSなどインターネットメディアが事実と異なった情報を拡散させることが社会課題となっている。トランプ先生などはSNSが作った大統領と言えるかもしれない。ネット上に偽ニュースをUPしたり、これに著名人がシェアしたかのように見せたり、「いいね」を乱発したりリツィートさせたりは、驚くほど安いコストで実現できるという。

 

 そこでプラットフォーマーやインターネットメディア側としては、UPされた情報が正しいかどうか、いわゆる「ウラをとる」対策も取り始めた。もともと匿名性の高いインターネットの世界では、その内容をチェックする機能が乏しい。その結果「Post Truth」が蔓延したという。

 

 それはその通りで、チェック機能の充実などの対策は必要だと思うが、アナログの世界でも「Post Truth」をバラ撒くことは可能だ。38度線を越えて金王朝を揶揄するビラを散布した団体もいるが、これなど先方からすれば「悪質なPost Truth」と言えるかもしれない。

 

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 日本でも「意図的な偏向報道」は存在する。例えば先週の「サンデーモーニング」で、大阪の「COVID-19」感染状況はインドよりひどいとのコメントがあった。これには、「大阪のような都市と、感染状況にバラツキのある大きな国全部を比較するのはアンフェア」とのクレームがついた。比較するならインドの感染がひどい地域と大阪を並べて議論すべきだという。

 

コロナで「大阪の死亡者はインドよりも多い」医師が「サンモニ」で伝える(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

 

 このクレームはしごく尤もと思うのだが、「サンモニ」の報道を引用して「大阪の施政がひどい」という意見も出ている。これも一種の「Post Truth」の拡散と言えないだろうか?この番組を問題視する意見は以前からある。福島第一の処理水については、2度にわたってコメンテーターが「汚染水」と連呼し、良識派を装ったこの種の発言こそ風評被害を呼ぶとの批判を呼んだ。

 

 「老害番組」と言われながらも、この番組が存続しているのは視聴率が取れるから。ネットメディアに範を示す意味でも、アナログ放送のこのような問題点は、ちゃんとチェックして欲しいものです。