僕のプライベートな携帯電話はいわゆる「ガラケー」、家内と両親のところにも1台ずつあって、家庭内通信料は無料だ。
・こんなものが欲しいから、ついでの時に買ってきてくれ
・冷蔵庫に余った食材やお酒があるから取りにおいで
というような「通信」にしか使っていないので、3Gだけれども不便は感じていない。しかし通信会社から連絡が来て「2024年には3Gサービスが終了します。これを契機にスマホはいかが」とのこと。4Gを飛び越して一気に5Gスマホになりそうだが、5Gの特徴を生かして何をするかというのはアイデアがない。5Gの仕様については一応専門の範囲なので知っていて、
・通信速度 MAX1Mbps ⇒ MAX20Mbps
・多端末接続 10万台/平方km ⇒ 100万台/平方km
・低遅延 10ms ⇒ 1ms
である。技術として優れているのはわかるが、何度か申しあげているように5Gならではのキラーアプリはまだ明確ではない。これが日米の関連企業が中国に遅れを取った原因である。資本主義下の民間企業は、儲かると思わないと本気では研究開発も設備投資もやらない(できない)のだ。
しかしその一方、総務省はかなり前から「Beyond5G」の研究開発を奨励している。その中身は実質「6G」である。「5Gも不確実なのになんで6G」と思うのだが、それは「国力」に関係するから。
今週は軍事の専門家や国際政治学者の皆さんからいろいろな話を聞けたが、中心テーマは「米中対立~衝突の可能性」である。次世代の兵器開発の議論もあって、特に米国人の国際政治学者が強調していたのが、
・宇宙空間での覇権
・そのための6G技術や量子技術
だった。2019年末には米国が「宇宙軍」を設置、日本の自衛隊もその半年後に「航空自衛隊宇宙作戦隊」を創設している。
日米が「宇宙軍」を創設、GPSとサイバーセキュリティの危機は“青天を突く”のか |ビジネス+IT (sbbit.jp)
この記事にあるようにGPSは米国の資産だが、他国がサイバー攻撃でそれを乗っ取ったり無力化することは可能だ。その攻防で、6Gや量子技術は大きな意味を持つ。資本主義の日本で、それをどう開発するか。透明性のある議論が必要だろう。
第二次世界大戦のUボートエースが言うように「殺し合いともなれば、人類の叡智は無限」なのですから、日本の技術者もやればできますよ。