Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

高専生に期待すること

 この日は千代田区外神田の廃校になった建物をリノベーションした施設にやってきた。案内された住所をスマホのMAPに入力すると「あれ、これって湯島のハナマサ+の隣じゃない」。これでオフィスを出る時、ずいぶん気分が楽になった。特に下町の複雑な地図というのは、田舎者には分かりにくい。せっかく誘ってもらったのに、地図が読めないから遅れたりしては申し訳ないのだ。

 

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 イベントの名称は「第一回高専インフラマネジメントテクノロジーコンテストの表彰式」。国交省のインフラメンテナンス戦略小委員会に顔を出している関係で、その関係者と人脈ができていた。案内してくれた人によると、
 
・全国には60ほどの公立・私立高専があり地域の人材供給源にもなっている。
高専生からインフラメンテへの新提案を募り、優れたものを表彰しようというもの。
・20近い高専から応募があり、奨励賞から最優秀賞までの表彰式を行う。
 
 という事だった。
 
 表彰式会場となったのは元体育館と思われる場所、応募作の内容紹介をするパネルのほか、後援企業(ゼネコンや関連技術企業)のブースが壁際を埋め、中央には Social Distance を守った形で約50のパイプ椅子が並んでいた。その真ん中にはTVカメラのクルーが一段と高いところに陣取っている。
 

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 主役の高専生たちは地方からオンライン参加、これもある種のハイブリッド会議である。千代田区長の挨拶に続き、審査委員を務めた大学教授らが審査の過程などを話し、表彰状や盾の授与(といってもオンラインだが)が行われた。
 
 最優秀賞となったのは、徳山工業高専のインフラの状況をセンスする「スマホゲーム」の提案。橋梁などのインフラの変化を市民が察知して、スマホを利用して状況を伝えるというもの。その他のパネルも見たが、総じてデジタル技術を使ったものが多かった。
 
 インフラメンテの主役は地方自治体だが、土木技術者が引退などでいなくなった自治体も少なくなく、膨大なインフラが放置されているのが現状。産官学共同で事態の打開を図るのには(サイバーセキュリティの業界でもそうだが)、地域の高専活用は魅力的な選択肢である。
 
 なかなか面白い企画で、若い人が社会課題に向かってくれることに満足して席を立ちました。帰路には・・・当然「ハナマサ+」ですよね。お肉を買って帰ります。