Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

介護人と被介護人

 先日のTVニュースで、被介護人の介護人に対する暴力やセクハラの特集が組まれていた。体が不自由で暴力的な言動しかできない人や認知症の人だけではなく、被介護人の家族が暴力を振るうケースもあるという。介護事業者は、派遣する介護人から情報を得て対策を練る。

 一番簡単なのは「お断り」してしまうことだが、そうするとその家庭が壊れてしまうのでなんとか改善に向けた努力をしているという。これまでは、家族の中で秘密にされてきた「恥部」が、家族以外の人が深く係ってくることで表に出てしまったこともあるだろう。最近取り上げられ始めた「介護の新しい課題」について、認識を新たにした。これではただでさえ足りない、介護をしてくれる人たちが安心して職業に就けないではないかとも思う。

 しかしこの回では取り上げられなかったが、逆のケースはすでに報じられている。介護施設に入所している人に対して介護人が「悪さ」をするケースだ。「精神障害者は害しか生み出さない」と主張して、施設で悪魔を演じた救いがたいヤツもいる。この2つを並べて考えていて、何か似ているケースがあったなと思い始めた。それがU-berやAirbnbの世界。

 空港で飛行機から降りて、タクシー乗り場に向かう。荷物は重いし、疲れても居る。いい運転手に当たることを祈りながら、以前は出張していたものだ。それが、U-berの登場で大きく変わった。あらかじめ「いい運転手」のバロメータが分かっているし、先方も僕を無茶はしない客だと分かっている。

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 サービスをする側には受けた側からの評価、サービスを受けた側には提供する側からの評価が分かっているから安心である。タクシーやシェアハウスも介護と同じサービスなのだから、同じ理屈が成り立つと思った。介護事業者(を統括する独法でもいい)が介護人と被介護人のリストを作り、各々の評価を収集する。それをランキングにして関係者が閲覧できるようにする。あとは、予約システムを付けるだけ。


 ある人から「評価が低くて介護できなくなることは仕方ないかもしれない。しかし評価が低くて介護を受けられなくなったらどうしてくれる」と問われた。そういう人が介護を本当に望むなら(アングロサクソン流に言えば)お金を積み増せばいい。資本主義社会の常道である。

 それは冷たすぎるという人には、こう言った。「U-ber登場後タクシーそのものも良くなったし、乗客のマナーも向上している」誰にしても、評価されると思えば無茶はしなくなるものでしょう。