Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

政治家の定年問題

 「ユーラシア・グループ」が今年の十大リスクの筆頭に挙げた、第46代大統領ジョー・バイデン氏の就任式は無事に終わった。すぐに10以上の大統領令に署名するなど、精力的な活動を始めたと報道されている。ただ心配なのは歴代最高齢(78歳)ということ。4年後に再び立候補して再選を目指すと思っている人は、決して多くないと思う。現在74歳のトランプ先生は、4年後の復活を目指すと言っているらしいが・・・。

 

 人生100年の時代ともいわれ、100歳の人も珍しくなくなっているが、さて政治家はいつまで続けられるのだろうか?国内では「お金配らないおじさん」と非難されている麻生副総理や二階幹事長は、すでに80歳を越えておられる。そんな中、自民党若手議員が「73歳定年制の厳守」を求めたとの報道があった。

 

「ファーストペンギンとしての役割を」 二階幹事長らに“73歳定年制”の厳守求めた牧島議員・自民党青年局長を直撃 【ABEMA TIMES】

 

 「73歳定年制」は法律などではなく、自民党の内規である。しかも衆議院議員比例代表に立候補する時だけの話。もうじき73歳を迎える菅総理や、前記麻生副総理・二階幹事長は選挙区選出だから、この制度で引退させられるわけではない。

 

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 調べてみると、この種の話は半年に一度くらいはニュースになっている。前回は昨年6月末ころ、やはり自民党若手の小林史明議員らが「定年制堅持」を訴え、ベテラン議員が「定年制廃止」を主張して激突している。結局は二階幹事長が「双方の意見を聞き置いた」ということで、なにも変わらなかったらしい。

 

 この制度、記憶に寄れば小泉総裁時代に、中曽根元総理から議員バッジを取り上げるのに使われたような気がする。「終生比例名簿首位」を約束されていた元総理に対し、この制度を突き付けて小泉総裁が引退を迫っている。中曽根氏は無論抵抗したが、最終的には「テロにあったようなものだ」という言葉を残して政界を去った。

 

 衆議院議員の任期はあと8ヵ月ほど。選挙が確実に迫る中、高齢の自民党幹部に世論が厳しい視線を向けていることもあって、牧島先生らが「厳守」との姿勢を示すべきと訴えているわけだ。牧島先生とは一昨年英国出張をご一緒し、小林先生含めちょっとディープな会合でお会いしていて、お二人の熱意やデジタル分野への造詣は充分理解しています。本件に関しても、僕は応援させてもらいますよ。