11都府県の緊急事態宣言が継続中、そろそろ効果が表れてもいいころだと思うのだが、昨年4月ほどは街中の人出が減っていないのは気になる。一方で自宅療養中の人が容態急変で亡くなったり、入院させたくても受け入れ病院が見つからないという話を連日メディアが伝えている。全国で亡くなる人も50人のオーダーになっているようだが、ふと手に取った法医学の本に、
「東京23区だけでも、毎日20~30件の変死事件はあります」
とあって、死者の数だけなら(欧米と違って)さほどの脅威ではないのかもしれない。重症者も1,000人を超えたというが、OECD諸国の中でも一番人口あたりベッド数の多い日本で、1,000個のベッドを用意するに精一杯と言うのは、何か別の問題点があるように思う。
そんな中、英国で今メジャーとなっている変異ウイルスが日本でも「市中感染」しているのではないかとの報道があった。
英国流行変異ウイルス 静岡の3人感染確認 市中感染か 厚労省 | 新型コロナウイルス | NHKニュース
しかも、それが静岡県でのことだというから二度びっくり。つまり、
・渡航歴のない3人の変異ウイルス感染が確認された。
・2人は回復、一人は自宅(!)療養中。
・症状が出たのは今月上旬。
・県外の感染者から手繰ったところ、3人の変異種感染が判明。
ということ。
国と県は、市中感染の疑いで感染経路を調査しているというのだが、3人共同じ保健所管区だということ以外、位置情報の詳細がない。静岡県内の状況からすると、県東部(三島・沼津・熱海・伊東あたり)の人口当たり感染者数が高め、病院ベッド数も逼迫しているので、強い感染性の変異ウイルスが東部で広がっているのではないかと思わせる。
感染者に対して不当な差別等が起きないように、関連情報を秘匿するというのは理解はできる。しかし強い感染性のウイルスが広がり始めているかもしれないのなら、その地域や正確な発症日、濃厚接触の可能性のある場所の公表はして欲しいと思う。その条件に当てはまるなら、無理をしてでも自粛しようという人が多いはずだ。強い感染力を防ぐために、消毒等を徹底することもやってくれるかもしれない。
それを秘匿するものだから、本来の対象となる人たちの何十倍もの人が疑心暗鬼になって蠢き回っているかもしれません。もう少し市民を信用して、情報を出して欲しいものだと思うのですが。