Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

英語公用語化の是非

 グローバル企業での公用語は英語・・・それは当たり前のことだ。付き合いのある外資系企業といっても日本で会うのは日本人社員がほとんどの僕は、通常は日本語で要件を済ませている。会議に外国人が混じってくるが少数だという時は、資料は英語で作り説明は日本語ですることもある。

 

 ちゃんとした国際会議では同時か逐語かは別にして通訳を付けてくれることもあるから、まあ僕のような英語苦手者でも末席に加わることが出来る。そのような会議では発言の一言が重く、誤解を与えると後々問題が大きくなることもあるから、英語が達者な人でも日本語で通すケースもある。昔民主党政権の時、英語の達者な鳩山総理がオバマ大統領に向かって「Trust me!」と言って事件になったこともある。重要なことがらは、ちゃんと通訳をはさむべきだ。

 

 ただ日本企業でも先進的な企業は「英語公用語」を定めているところもある。僕の勤務している会社も幹部は英語が達者だし、外国人の役員もいるのでそうなる可能性はある。まあそうなったら潔く引退することにしたい。そんな先進的な企業のひとつ「楽天」で、英語公用語化がトラブルのタネになっているのではないかという記事があった。

 

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 楽天、トラブル続出の原因は「英語公用語化」?時間が2倍かかり効率低下、意思伝達ミス (biz-journal.jp)

 

 アグレッシブな三木谷社長は、2010年に「世界と戦うには」と社内の公用語を英語にしたとある。経団連を古い企業の集まりだと考えて、自ら「新経連」を作るほどの人だ。お気持ちはよく分かる。問題は社長ご本人は良くても、周りがついていけるかということ。実際に仕事をするのは彼らなのだ。さらに取引先企業にもそれを求めるというのは、資本関係などが見えないから確たることは言えないのだが、ちょっとやりすぎのような気がする。

 

 英語のコミュニケーションでの誤解が直接の引き金となったトラブルは多くないかもしれないが、社員やお取引先が英語⇔日本語の作業で疲弊し、ケアレスミスをしてしまった可能性は否定できまい。

 

 昨今は機械翻訳の精度も上がってきて、先日の「ユーラシア・グループの2021十大リスク」などはメールの翻訳機能で十分読めました。総務省の研究機関NICTが「同時通訳AIを開発中、2025年には実用化」とも言います。無理に「英語公用語」にしなくてもいいと思うのですが・・・。