Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

John Maxwellの戦歴(10/終)

 ファレーズ東の街を抜けなかったF中隊には、敵拠点を迂回して街の中心部に浸透する指令が与えられた。新たに歴戦のパラシュート分隊2個とM-4戦車3両、Priestが増援としてやってきた。Hill中尉はパラ分隊の指揮官にMaxwell軍曹を指名し、先鋒を務めるように指示した。ごく軽傷だったMay軍曹は「戦える」と志願してきたので、自分の代りに今回の攻撃の指揮を取らせることにした。

 

 浸透のために障害となるのは、独軍歩兵何個分隊かが守る拠点。AFVもいると斥候が言う。実際米軍の接近を予想している独軍指揮官3人の指揮下には、10個分隊とⅢ号突撃砲が2両、迫撃砲があるだけ。機関銃とパンツアーファウストは割合充足していた。

 

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 May軍曹は偵察で突撃砲を確認、その火箭を外すように両翼から攻めることにした。右翼前の敵は薄いと見て戦車を1両つけただけで、Maxwell軍曹の攻撃力に期待した。左翼に戦車2両とPriest、機動歩兵を置いて、ここから突破を果たすつもりだ。

 

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 左翼の攻撃は凄まじかった。Priestの巨弾は敵歩兵を吹き飛ばし、機動歩兵の銃火はパンツアーファウストを構えていた歩兵を潰走させた。その街路を安全に抜けた戦車が、突撃砲の背後に回り込みこれを破壊した。右翼では、不用意に敵に近接した戦車がパンツアーファウストを浴びて撃破された。それでも左翼から回った戦車が、突撃砲を仕留めた。

 

 その間にMaxwell軍曹とパラ分隊は強力な銃火を敵に浴びせて進撃、ついに中央の機関銃座に迫った。捕獲兵器を扱うことにも慣れてきた軍曹は、パンツアーファウストを拾って敵機関銃座に向けて撃った。敵歩兵を倒すことは出来なかったが、一瞬混乱させることに成功、そのすきにパラ分隊が建物に侵入した。

 

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 もはや、機動歩兵や戦車の街中での跳梁を止める兵器は独軍に残っていない。しかし敵9-1指揮官は1個分隊を率いてM-4戦車に白兵戦を仕掛け、これを撃破した。ただ他の分隊はほとんどが潰走し、ほぼ全滅状態になった。

 

 Maxwell軍曹は残敵にとどめを刺そうと、最後の攻撃に出た。しかし重機関銃をひきずりながら逃げていた敵9-1指揮官が急に反撃、その一弾が運悪くMaxwell軍曹を捉えた。軍曹は重傷を負い(サイの目12)衛生兵により後送された。軍曹は治療のため帰国することになり、彼の第二次世界大戦は2ヵ月ほどで終わってしまった。