Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

店頭売り&現金掛け値なし

 年末である。毎年恒例だったのが、家内が好きな「伊勢丹バーゲン」。中学生のころからの伊勢丹フリークだったという家内は、40年近くたっても年末バーゲンには必ず行っていた。それも今年は案内状が来なかったらしい。多分開催されないのだろう。

 

 「COVID-19」騒ぎが収束すれば来年末はバーゲンに行けるのかもしれないが、そもそもバーゲンで買っていた高級なスーツ、シャツ、ネクタイなどの需要の方が無くなっている。仮に昨年と同様のバーゲンが開催されても、行くかどうか?

 

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 ちょうどこの日新宿に用があって、昼時に新宿駅西口地下街を歩いていた。お腹が空いたのでランチにしようと考え、目についたのが「カレーショップ11イマサ」。この店には、昨年のバーゲンの時に立ち寄ってランチを食べた。地下街に他に知った店は見当たらないので、ここで「野菜カレー」を注文した。カウンターばかり15人くらいは入れる店、年末でもありお客さんは2~3人しかいない。

 

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 パステルカラーの目立つ皿で出してくれる以外は、特徴のないカレーライス。「CoCo壱番屋」基準で辛さはゼロ、野菜にもソースにも目立った何かはない。ただ昨年の記憶があるので、ゆっくり食べながら頭に浮かんでくるのは「伊勢丹」のことばかりである。

 

「三越伊勢丹の"余命"はあと2年強」経済アナリストが試算する百貨店4社の末路 (2020年12月8日) - エキサイトニュース (excite.co.jp)

 

 という記事が目に留まり、百貨店と言う業種に赤信号が点いたことを知ったからだ。僕の田舎にも鉄道会社系の百貨店はあって、改まっての買い物にはそこが人気だった。もともとは越後屋(後の三越)が、店頭販売&現金掛け値なしというビジネスモデルを打ち立ててヒットしたのが百貨店のルーツ。高度成長期はどんどん業容を拡大したが、21世紀になって衰退期に入る。

 

 インバウンド需要でなんとか持たせていたのが「COVID-19」騒ぎでそれも吹き飛び、「余命2年」と宣告されるに至った。オンライン福袋などEコマース分野に活路を求めているが、店頭販売のモデルから逸脱しているし、現金掛け値なしの方も自前クレジットカードを出すなどすでに残っていない。

 

 アマゾンが悪いかどうかは別にして、百貨店モデルが終焉しつつあるのは確かなようです。ただ業容転換には規模が大き過ぎ、変革は並みの苦労ではないでしょうね。