Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国際線は青い方に一本化?

 日中両国間のビジネス往来が(条件付きながら)再開しただけでなく、徐々に国際間の往来が可能になってきている。すでに知り合いになっている間ならビデオ会議で相応の部分は済ませられるし、最近は国際会議でも「初めまして」の相手とぶっつけ本番の会合も可能になりつつある。しかしやはりひざ詰めの会議は必要だし、渡航できるという選択肢は大きい。

 

 ただ渡航の需要が1年前の水準に戻るかと言うと、それは難しかろう。仮に世界中で「COVID-19」騒ぎが収束し、観光需要が戻ったとしてもである。そんなわけで、国際航空路線は少なくとも2~3年(もっとかな?)は厳しい事業運営を迫られよう。グローバルキャリアの生き残りに関しては、各国あらゆる方策を用いざるを得ない。

 

・KLMは政府保証等で資金調達

エールフランスには政府が直接支援

・ルフトハンザも政府が直接出資

アメリカン、ユナイテッドには政府が融資枠設定

 

 そして政府支援を受けた大韓航空がその資金でアシアナを買収、韓国唯一のグローバルキャリアとしてJALANAを上回るランキングに浮上することになる。そこで日本でも両社の合併が議論され始めた。

 

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 成長戦略会議の中心人物(本人は真ん中には居ませんと朝まで生TVでは仰るが・・・)である東洋大竹中教授は、「国際線はANAに統合すべき、これは以前から言っていること」とインタビューに応えた。時代はメガキャリアしか生き残れないというのが、経済学者としての判断だと思う。

 

 同じく成長戦略会議のディビッド・アトキンソン委員も、中小企業はM&Aで大きくさせよと主張しているが、一般に企業規模が大きいほど効率が良くなるのであながち間違った提案ではない。国際競争の荒波に直接もまれる業界なら、より確からしいことである。日本からグローバルキャリアがなくなってしまうのは僕としても寂しいので、この合併はあり得ることだと思う。

 

 世界のキャリアは今3つの航空連合(スターアライアンスワンワールドスカイチーム)に分かれていて、各国内の競合とは別の連合に入っている。それが1国1キャリアになれば、航空連合としてマイレージ等で囲い込む必要が薄れるような気がする。その国の乗客は、主として自国のキャリアを使うからだ。

 

 航空連合が無くなれば乗客のメリットは減ります。しかしその分自由度も増すようにも思えますね。さて、どうなりますか?