Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

新型インフル等特措法の議論

 先月の「朝まで生TV」も、いつも以上にモメた。いまや天敵のようになった竹中平蔵教授と森永卓郎氏の直接対決もあったし、自民党塩崎先生と立憲民主党森先生の論争もあった。冒頭短く「桜を見る会」のことも取り上げられたが、メインは「COVID-19」対策である。反貧困ネットワークの人が「特に女性の自殺者が急増、10月は昨年比1.8倍にもなった。年が越せないという人が後を絶たない」と悲鳴を上げたが、議論そのものは「新型インフルエンザ等特措法」の改正のようなところに集中した。

 

 視聴者からの意見で「特措法やGo Toの話ばかり、今困っている人にどう手を差し伸べるかの議論になっていない」というものがあったが、パネリストから見れば「手を差し伸べるために、ガバナンスを強化する特措法改正に議論をしている」ということだったろう。このあたり、本来は司会者などが説明すべきだったと思う。つまり、医療リソースの柔軟的な運用ができないなどで感染防止対策が不十分なのは、国のガバナンスが行き届かないからといいうところから議論が始まっている。

 

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 都道府県知事の頭越しにでも国のガバナンスを効かせられる、強権を国に持たせるような「特措法」等の改正を、自民党らは求めている。しかし立憲民主党は、このような強権を国に与えるわけにはいかないと反対。これに竹中教授らが、「これまでは強権を振るわずになんとか抑えられた。しかし今後もそれで済むかは分からない。都市封鎖のような強権的な措置が取れるような改正が必要なのでは」と詰め寄っていた。

 

 「特措法」そのものは民主党政権時代に成立していて、その後厚生労働大臣などを務めた塩崎先生は、早期の改正(国の権限強化)をすべきと努力したのだが「COVID-19」対策には間に合わなかったと述べていた。

 

 この議論、根本は「有事法制」などと同じ。各国は「COVID-19」蔓延を有事と見ていて国の強権で「都市封鎖」などをしている。ドイツでは病院の迅速な体制変更も可能になっていると田原先生が言っていた。これができるのも「有事」の概念があるからだ。

 

 議論がBIのことなどにとっちらかってしまったのが残念でした。次回は新春特番になりますが、国のあり方議論をちゃんと多くの人に分かるように展開してもらえたらと願います。