Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「連合ベア2%要求」の衝撃

 この数年、丸の内から大手町の春の風物詩である「春闘」というものをよく見かけた。特に経団連会館の前でシュプレヒコールを挙げる姿は、僕に「こんなもの要らない」と思わせるに十分だった。「COVID-19」の第三波がきたような東京で、ひょっとすると今度は「春闘」のない春が迎えられるかもしれないな・・・と勝手に思っていた。ただ「密」を避けるというだけでなく、テレワーク主体の職場だということでもなく、多くの人が困っている環境で「サラリーマン集団だけは特別だ」と賃上げを要求することはないと、正直思い込んでいたわけだ。

 

 それが「連合が来年のベア2%を要求する」と聞いて、椅子から転げ落ちそうになった。毎年国家公務員の給与賞与水準について勧告している人事院が、今年はこれまでのようなUPではなく、給与据置き・賞与わずかに減と事実上の決定をした。まあ不況に強いのが公務員だから仕方ないかと僕は思ったし、一部メディアは「賞与わずかに減など、公務員は護られ過ぎだ」と非難した。民間の苦労を理解していないというのだ。

 

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 今「Go To Campaign」で救おうとしている各業種にしても、軒並み50%以上の売り上げ落ち込みの最中だし、テレワークで紳士服や高級靴の業界も低迷している。一部の例外(有識者によると10%くらいの会社)を除けば、業績は苦しい。だから非正規雇用はもちろん、正規雇用にもリストラを迫っているわけだ。某大手銀行が週休3~4日制を選択可能にするというのも、ワークシェアリングと言う名のリストラに見える。

 

 さて問題はここからで、公務員が「護られ過ぎ」という論調を野党が張るのかと思ったら、ほとんど聞こえてこない。そうか公務員の労組を気にしているなと思った。そこに「連合ベア2%」である。連合を支持母体にしている立憲民主党はどうするのだろうか?いっそここでベールを脱ぎ、「全正規雇用者の味方です。非正規の人たちのことは考えません」とでも言ってくれれば分かりやすいのだが。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2020/11/11/140000

 

 以前紹介したように、非正規を量産したとして「小泉・竹中改革」が非難されています。正規雇用者が護られ過ぎだとの竹中教授の意見には、賛同が少ないです。しかし「連合ベア2%」を聞いても、皆さんそう思われませんか?