Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

おもちゃたちのパレード

 朝鮮労働党創建75周年記念の軍事パレードが、かの国で行われた。なぜか未明の時間帯に、ライトアップして兵士・兵器が行進した。上空からドローンによると思われる映像も流れて、どの大国の軍事パレードかと思わせるシーンもあった。いくら75周年とはいえ、経済制裁もあり、「COVID-19」で自ら国境を封鎖し、この夏3つの台風に直撃されている。そんな経済状況で10種類もの新兵器を並べて見せたのには、正直驚いた。

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20201011-00202500/

 

 この「軍事ブロガー」を名乗る人の視点や分析には、僕は一目置いている。今回も10種の新兵器についてのコメントを、興味を持って読ませてもらった。TVニュースでは、最大級の大きさの大陸間弾道弾や潜水艦発射弾道ミサイルくらいしか紹介してもらえなかったが、その他の兵器も大変面白いものである。というのは、この兵器何のために開発したのか聞きたいものが混じっているからだ。もっというと、党委員長は「戦争抑止力を強化し続ける」というのだが、一体どんな戦争を想定しているのだろうか。

 

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 地対艦ミサイルや、地対空ミサイルの発射機はまだわかる。仮想敵の米軍は制海権や制空権を最初に抑えてくるから、その対抗策だろう。しかしM1エイブラムズ戦車もどきやストライカー装甲車もどきについては、何に使うつもりなのだろう。これらは広い陸上で、歩兵を含めて土地の占領を目指す時に使うもの。北朝鮮にこれらの陸上戦力を海輸してどこかの土地(例:北海道)を奪うには、輸送能力が足りない。

 

 すると38度線を越えて南進するか、鴨緑江を渡って中国に侵攻するかくらいだが、前者はひたすら恭順の体だし、後者はほぼ唯一の後ろ盾だ。ロシアについても同じこと。あるいは南朝鮮や米軍が、38度線を越えて北進してきたときの防御戦闘だが、そんな事態は起きそうもない。核・ミサイル開発は自国の存在を国際社会に認めさせるためのもの、それが完成した暁には100万人もいる正規軍を軍縮して生産労働力にしなくてはいけないはず。それにはこれらおもちゃのような新兵器は無用の長物だと、僕は思うのだが。

 

 公式数値ではかの国のGDPは1兆8,000億円ほど、だいたい鳥取県くらいの規模です。核とともに10種ものおもちゃ兵器を作っている余裕はないと思うのですが。