Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

バラマキ政策は歪みを生む

 「トリキ錬金術」と言う言葉を聞いて何のことか、最初はわからなかった。一品298円(税別)が売りの「鳥貴族」で、「Go To Eat」を使って予約し一品だけ注文して帰れば1,000ポイント付くので差し引き670円ほど儲かるというわけ。もっとひどいことに10円のコチュジャンを頼むという「技」まであって、Web上で得意げに紹介しているのが汚らわしいと感じた。

 

 一方で「Go To Travel」の方は、有名観光地の高級旅館ばかりが満室になり、地方都市やビジネスホテルなどはさっぱり恩恵に預かれないと言われる。Web上の予約サイトはもう枠を使い果たしそうだし、大手の旅行社には枠は余っているらしい。

 

 「Go To Eat」の方は定額割引にしたので上記のような歪みが、「Go To Travel」の方は定率割引にしたので別の歪みが発生している。またTVコメンテーターが指摘するように、「いずれは税金で消費者が支払わされる借金だから、Go Toは使わなければそれだけ損。しかし本当に困っている人は、Go Toを使うお金や時間がないことが多い。格差社会を助長するようなものだ」ということ。

 

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 政治家は「誰一人取り残さない」というが、現実にはそれは難しい。「誰一人・・・」までは行かなくても非常に多くの人に届いた「アベノマスク」の例では、厚労省の言う金額だけでも466憶円掛かっている。その支援物資以上に、広告宣伝・手配・配送・管理等にコストはかかるものだ。

 

 結局「救えるところを救う」ことになり、歪みを生み不公平感を残すことになる。だから先日紹介したように、BI(Basic Income)導入の方が、いろいろなバラマキ政策を積み重ねるよりはずっとマシだと思っている。そうしたら、また新しいバラマキのご提案があるという。

 

 「受験生等支援給付金(仮称)」を、公明党が文科大臣に要求したという。今年度大学受験の時期に当たる高校三年生や浪人生に2万円を支給しろというもの。なぜ2万円かというと、大学入学共通テストの受験料相当額。それなら当該テストを無料にすれば済むことなのに、どうして支給(これにも追加のコストがかかる)などと言うのか?

 

 公明党の「軽減税率」にはあきれ返った僕だが、今度の提案もポピュリズムにも届かない低レベルなものです。あなたの存在が社会に歪みを生むことを気づいてないのでしょうかね。