Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

銀行の信用・銀行員への信頼

 実質的な政府系航空会社の経営破綻に伴う、主力銀行の債権放棄話。どこかで聞いたような気もして、そういえば「赤い日系航空会社の株式は紙くずになったな」と思い出させてくれたのが、TVドラマ「半沢直樹」。毎週見ているわけではないが、いろいろな記事で取り上げられているのを読むと、これは現代の歌舞伎だと思う。決して歌舞伎役者さんが一杯出演しているからではなく、全体のトーンがそうなのだ。

 

 その中で主人公が繰り返す「銀行の信用、銀行員への信頼のために、正義の道を外れてはいけない」という言葉は、全く正しいのだけれど現実には難しいこともある。今その言葉を最も真摯に受け止めて欲しいのは、「ゆうちょ銀行」と「日本郵政」である。

 

 ドコモ口座事件の被害の60%はゆうちょ銀行が関わっているし、他の電子決済サービスでも多くの被害に関与している。口座開設の時の本人確認に甘さがあったのは確かで、なるほどこれならマネーロンダリング用の架空口座だって簡単に作れそうだ。昨今の犯罪は、全部ひとりもしくは一組織がやる「垂直統合型」ではない。偽口座作成の得意な連中がこれを量産し、闇マーケットで売る。買った犯罪者は自分の犯罪にこれを利用するインターネットビジネス同様「水平分業型」なのだ。

 

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 ゆうちょ銀行の支店・ATMは日本最大規模、口座の数も多い。その上管理が甘いとなれば、多くの犯罪者たちによってたかって食い物にされたのは当然であろう。無論猛省を求めたいのだが、実はこれらの不正が発覚する前に、僕はこの銀行に見切りを付けていた。経済評論家の荻原博子さんが、7月の女性自身に「郵政破綻」を予測した記事を載せていたからだ。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/8f874e7cd4c71c80612a4b68f5ad99fa5725052f

 

 結構衝撃的な記事で、本当に破綻したら社会的に大問題になる。だから起きないだろう・・・とは僕は考えなかった。この記事が全く事実無根だったとしても、雪崩を打って口座解約にくる預金者が増える可能性もある。そこで大した金額ではないが同行の定期預金を解約し、少しずつ分散して他行に移した。もうこの時点で、僕は同行を信用していなかったことになる。

 

 日本郵政にはまだ表に出ない課題もあると思います。願わくば「信用・信頼」回復のために全力を尽くされますよう、お祈りいたします。