「COVID-19」騒ぎで日本のデジタル化の遅れは、誰の目にも明らかになった。特に多額の投資をし続けてきた行政部門の遅れは、目を覆うばかりにひどい。菅政権は、
・デジタル化
・規制緩和
・縦割り打破
などの指針を掲げているが、この三項目は実は密接に関連している。デジタル化とはただIT機器を導入することではない。社会を、いやもう少し限定しても業務を変えることだ。そうしようと思うと、アナログ時代の規制が邪魔をすることが多い。そこで規制改革なのだが、規制は各府省が個別に管掌していて一カ所を緩和しても効果が薄い。
どうせやるならオンライン行政だって、オンライン診療だって、オンライン教育だって、もっと言えばオンライン選挙やオンライン裁判だって、障害となっている規制は似通っている。各々の実現にあたっても関連があるので、省庁縦割りではやたらと手間がかかる。そういう意味で三項目は連携していて、それを「デジタル庁」で一括して行えるなら、道は拓けるかもしれない。
ただすでに「抵抗勢力」の蠢動は始まっていて、経産省のある幹部は「デジタル庁の職務範囲は、霞ヶ関のデジタル化である」と言ったとある筋から聞いた。これが本当なら、社会全体のDXをリードするのは今後も経産省だとの「縄張り意識」が見える。
高名な経済学者野口教授が、「日本のITが時代遅れになったのはSIerへの丸投げ体質が原因だ」との記事を発表されている。そのポイントは、
・行政含め日本のITシステムは、SIerへの丸投げで開発運用されている。
・米国などではいち早く「オープンシステム」を導入、柔軟性を手に入れた。
・日本ではデジタル人材がSIer等に偏在していて、米国のような運用が出来ない。
とある。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75498?imp=0
これは全くその通りで、SIerもお客様担当部署はこのお客様だけが大事、何としてでも抱え込もうとするから無理も聞くけれども「統一化・標準化」などの要望は自分の都合で絶対拒否する。ひどい例だが、他のSIerにリプレースされそうになった時、
「どうしてもリプレースと言われるなら、過去のデータは全部当社が持ち帰ります」
と「強盗もどき」の妨害行為にでたSIerもいる。
<続く>